仕事を辞めたいと考えているサラリーマンの方へ

当サイトでもそこここで触れている通り、経済的にも社会的にも大変厳しい情勢である昨今、過去には盤石と思われていた大企業でさえ人員削減や給与カットなどのリストラ策を打ち出し、ひいては吸収合併されたり倒産してしまったりと、サラリーマン(会社員)であっても決して安泰ではありません。

ここ数年に限って顧みるだけでも、大手電機メーカーなどを中心に、小さい頃から誰もが社名を耳にし、日本を代表する超優良企業として世界に君臨してきた会社が、軒並み倒産の危機にさらされたり、経営再建の憂き目に遭ったり…。

こんなショッキングな状況を、一昔前に誰が予想出来たと言えるのでしょうか。

また、中小企業を中心に、リストラや倒産までにはまだ至らずとも、社内では閉塞感が漂い、仕事自体がどんどんつまらなくなったり、人間関係を含めた職場環境が悪化したりと、芳しくない状況が蔓延してしまっている会社も少なくないようです。

仕事を辞めたいサラリーマンは増えている

それでも十分な給料が貰えていれば、まだ我慢出来るという人もいるのかもしれませんが、現実はそれもままならないという状況。

そんな中、仕事を辞めたいと考えているサラリーマンが増えるのも当然のことでしょう。

例えば、今や日本国内においても圧倒的なユーザー数を誇る、代表的なWebサービス「Twitter」(ツイッター)で、「仕事やめたい」などの単語で検索してみれば分かります。

同サービスが手軽に不満や愚痴をつぶやけるということもあって、出てくるわ出てくるわ、仕事を辞めたい人たちのぼやきが(笑)。

多くの人が、自らの仕事環境や待遇などに不満を感じながら、その不満やストレスの捌け口を日々探しつつ、現状の打破を模索しながらもがいている状態にあるということなのでしょう。

転職という選択肢

ただ実際のところ、配偶者や子供を抱えていたり、家賃やローンの支払いがあったりと、一時の感情と勢いだけで安易に今の仕事を辞められるという方は、決して多くはないと推測します。

そこでほとんどの方は、今の仕事を我慢して続ける一方で粛々と転職活動を進め、新しい会社の内定を勝ち得てから、ようやく大っぴらに退職に向けた動き(現会社への意思表示や現職務の引き継ぎ調整など)をとり始めるはずです。

要するに多くの方において、まず「起業」という選択肢よりも、「転職」(転社)という選択肢が先行すると考えられる訳です。

まずはとにかく、現在とは違う環境(=違う会社)を求めて、それを探すということです。

どこもそう変わらないという現実

ここで考えていただきたいのは、まず改めて、何故今の仕事を辞めたいと思っているかということです。

要するに退職理由ですが、新しい会社での採用面接で答えるような、前向きに装飾された退職理由ではなく、自分の中での正直なもの、愚痴や不満も含めた本音のものです。

「仕事自体が全く面白くない」「人間関係が悪化して雰囲気が良くない」「給料や待遇に満足出来ない」などなど色々と考えられるでしょうが、そうやって退職理由を整理していただいた上で、あえて身も蓋もないことを申しますと、恐らくそんなものは、どこの会社に行ってもあまり変わらないのではないでしょうか。

特に現在のような、全体が閉塞感に包まれた社会では、日本の企業なんてどこもかしこも同じような状況であると考えた方が極めて賢明です。

求人広告に悪いことは載せない

確かに、雑誌やWebサイトなどあらゆる媒体で様々な会社の求人広告を見ると、どれも活気溢れる職場の写真や魅力的な文言が並んでいて、「ここだったら大丈夫」と思ってしまうのも無理はありません。

しかしながら、応募を出来るだけたくさん集めたい、優秀な人に入社してもらいたい、という思いを込めた求人広告に、あえてネガティブなことや、自社に不利なことを載せるでしょうか?

買い手市場である一部の業種などでは、意図的にそのようなことも掲載した強気の求人広告も時折見られるようですが、一般的にはポジティブなこと、自社に有利なこと、すなわち、誰もが入社したくなるような魅惑的なことしか載せないはずです(「部署によっては人格破綻の上司がいるので要注意」とか、「一部の社屋では人間関係悪化のため無意味にピリピリしています」とか、「つまらない仕事内容ですが我慢して頑張ればお給料はそれなりに支払います」とか…そんなことが書いてある求人広告があったら、それはそれで逆に興味を惹かれて、受けてみようなんて気になってしまう人もいそうですが(笑))。

実際に入ってみないと分からない

もちろん、求人広告のすべてがウソであるということを言いたい訳ではありません。

中には、掲載内容から窺えるイメージ通りの、素晴らしい会社だって存在するでしょう。

ですが、そういう会社だって、いつ状況が悪化するかは誰にも分からないのです。

外部環境だけでなく、内部環境による影響だってあります。

例えば、社長が交代しただけで、雰囲気が(悪い意味で)180度変わってしまったという会社はいくらでもあります。

また、運良く素晴らしい環境に巡り会うことが出来たとしても、それはその部署だけの話かもしれません。

サラリーマンには異動配置換えがあります。

異動先の部署では、人間関係も雰囲気も最悪かもしれないのです。

新しい仕事は、あなたにとってクソつまらないものなのかもしれないのです。

こればかりは、実際にその環境に身を置いてみないと分かりません

要するに、転職によって状況が改善するかどうかは、最終的には確率論の話でしかないということです。

同じ確率論…であるならば

一方で、起業して成功するかどうかも、ある意味確率論です。

同じ確率論ですが、決定的に異なるのは、起業においては自らその確率をいくらでも高めることが出来るという点です。

もちろん、サラリーマンであってもそれは出来ないことではありませんが、組織の環境や上司のパーソナリティー、あるいは会社全体の業績などといった自らの力ではある意味どうすることも出来ない、多種多様な要素に大きく左右されるサラリーマンにおいては、そこに厳しい制約が伴うはずです。

起業においては、そのほぼすべてが自分次第といっても過言ではありません。

まさに自分の力でいくらでも道を切り拓き、望んだ環境を手に入れる、すなわち、努力によって、成功する確率をどんどんと高めることが出来るのです。

最終的には自分の決断

念のため言及しておきますが、当コラムの趣旨は、ただいたずらに起業をオススメするものではありません。

家族などを含めた自らが置かれている環境、性格や素性、スキルやポテンシャルなど、あらゆる要素を綿密に検討した上で、今の会社に残るのか、転職するのか、あるいは起業という道に進むのか…。

答えはもちろん、最終的には自分で決めるものなのです。

そして、その決断をする上で、当サイトが一助になるのであればまさに幸甚の極みです。

ぜひ、以下に挙げたようなページも参考にしてみてください。

※参考
→「サラリーマンと起業家の違い」
サラリーマンと起業家の違いはよく語られる内容ではあります。起業家の基本とは、その違いを確認し、厳しさを認識するところから始まるものなのです。

→「起業するほうが偉いという訳じゃない」
サラリーマンだってカッコいい。第一線で活躍している人たちにおいては、起業家にしろサラリーマンにしろ、日々ビジネスという厳しい戦いの中を生き抜いていることに変わりはありません。
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