「成功した話より、失敗した話から学べることのほうが多い」
「失敗談にこそ学ぶべきものがある」
「成功者より、失敗者から学べ」
,etc,etc,etc…
これらは、よく言われる教えであり、一度は耳にしたことがあるという方も多いのではないかと推測します。
確かに、失敗した事例から、失敗しないために避けるべきことや、同様の轍を踏まないよう避ける術(すべ)などを学び取ることは、非常に重要です。
ただ、それは「同じ失敗をしないため」であって、「成功するため」ではない、ということに注意が必要です。
ことさらシビアなビジネスの世界で、起業して成功するためには、実はこの違いが大変重要なのです。
成功するための対策を考える
念のため断っておきますが、冒頭に掲げた教えを、決して否定するものではありません。
ただ、失敗を避けてさえいれば結果的に成功出来るかというと、それほど起業というものは甘いものではないということを申し上げたいのです。
繰り返しますが、失敗事例より学ぶことは非常に重要です。
しかしながら、起業家たる者、それだけで終わってしまってはいけないということです。
何より、もう一歩踏み込んで、成功するための対策を考えることが最も重要なのです。
ここで、「失敗しないための」対策ではなく、「成功するための」対策であることに注意してください。
そしてその対策を考えるための一番のヒントは、実は成功した事例の中にこそあるのです。
成功事例には共通する「カギ」がある
成功事例に数多く触れていると、そこには何か共通したものがあることに気付くはずです。
それは、成功するためのマインドセットだったり、何がしかの実践的なアイデアだったり、あらゆる局面における行動手法だったり…。いわば、起業して成功するための「カギ」のようなものです。
これを掴むことが出来れば、起業して成功するまでの道のりは、半分約束されたようなものかもしれません。成功するための対策が、いくつも思いつくようになるはずです。
そしてこの「カギ」は、失敗事例のみからは、絶対に分かり得ないものであるのです。
それ故、起業においては、失敗事例に数多く触れるのと同じように、あるいはそれ以上に、成功事例に数多く触れることが大切であると考えられるのです。
成功事例と失敗事例は紙一重
…と、ここまで、成功するための「カギ」は、失敗事例のみからは分かり得ず、成功事例に数多く触れることが大切であるといった旨、述べてまいりました。
とはいえ実は、成功事例と失敗事例は、状況によりまさに「紙一重」の差だったりするのです。
それは、以下のページで取り上げた例などに顕著に表れているかもしれません。
※参考
→「あなたは500回断られてもまだ営業に行けるか」
500社に営業に行って断られ続けたら、そのビジネスモデル自体がNGであったと判断するか、あるいは時期尚早であったと考えるか、いずれにせよ諦めて、やめてしまうというのが、多くの方における普通の判断となるでしょう。
500社はおろか、100社か、あるいは10社や5社でやめてしまう人だっているかもしれません。
いずれにせよ、やめてしまえばその時点で、それは見事な「失敗事例」となってしまいます。
当事者の感想としては、
「500社営業に行って断られ続け、ようやくこのビジネスモデルでは無理であることに気が付きました(笑)」
といった具合です。
そして、周りからは
「気が付くのが遅すぎる(怒)」
と、容赦ない批判を浴びせられたとしても、甘受するしかないでしょう。
しかしながら、501社目に営業に行き、ようやく契約を勝ち得たことで、その経験が立派な「成功事例」へと変化を遂げた訳です。
まさにどんでん返し、起死回生の一発です。
失敗事例との差は、あとたった1社、営業に行ったか行かなかったか…でしかありません。
そう考えると、これまで失敗事例と思われてきたものも、実は、成功事例に向けた道半ばであったのかもしれません。
起業家として、いつ、どんな判断を下すかということが、非常に重要なファクターであるというのは、当サイトのあちこちで述べている通りです。
そして、「やめる」ということは立派な判断ですが、「続ける」ということも、勇気ある判断なのです。
一定の回数、あるいは一定の期間、何としても「諦めずに続ける」という判断を下すことが、実は成功を掴むための分岐点、まさに失敗との紙一重の差になるかもしれないということです。
続けるのは、500回か、1000回か…あるいは、1年か、3年か…。
あるいは、無限に「成功するまで」か。
その回数や期間を、どれくらいに設定すればいいのかということについては、誰にも分からないことではありますが…。