- 自宅から、遠く離れている会社まで、ただただ電車に揺られるだけの、苦痛で長い長い通勤時間。
- だらだらと同じようなやり取りが続いたり、ちょくちょく話が脱線したりする、退屈で長い長い会議。
- どうせ読まれないことは分かっているのに、体裁を整えるためだけに何日も何日もかけて作成する、無駄としか思えない分厚い資料。
,etc,etc,etc…
これをお読みの皆様の中には、こういったことに嫌気が差してサラリーマンから起業家になった(あるいはなろうと思っている)、という方もいらっしゃることと思います。
もうこれ以上、無駄な時間を過ごして人生を浪費したくはないという、前向きな気持ち故、でしょう。
その気持ち、私には痛いほどよく分かります(笑)。
では、起業家になったら全くこういったことが無くなるかというと、正直なところ、無くなりません。
もちろん事業分野やその内容などによっても多かれ少なかれ変わってくるとは思いますが…。
- 日々の通勤はともかく、遠くまで移動しなくてはならないこと、場合によっては頻繁にあるでしょう。
- 個人事業主ならいざ知らず、複数人を抱える組織のトップともなれば、意見の調整等に時間が割かれ、あるいは脱線したりして、長時間を費やしてしまう会議だってあるかもしれません。
- 顧客や取引先に振り回され、読んでもらえるかどうかも分からない分厚い資料を提出しなくてはいけないことだって、時にはあるはずです。
こういったことが全くないという起業家生活は、極めて恵まれていると言わざるを得ません。
そんな時、やはり嫌気が差したからといって、おいそれと起業家を辞めてしまう…という訳にはいかないはずです。
そうすると起業家は、こういったことをずっと我慢してやり続けるしかないのでしょうか。
結論から言えば、我慢する必要はありません。
ただ、やり続けるしかない場合もあるでしょう。
矛盾しているようですが、要するに、「我慢せずともやり続けられる思考回路を構築すればいい」ということなのです。
どんなことからでも貪欲に学ぶ姿勢
「どんな経験も無駄にはならない」「人生に無駄なことは何一つない」などといった言葉は、よく耳にされるのではないかと思います。
また、「反面教師」「他山の意思」「人を以て鑑と為す」など、他の人の状況や行動を見て自らを律するといった意味の教えや格言も、世の中には溢れています。
後者は多少意味がずれているかもしれませんが、その根底に流れている趣旨は、それほど乖離しているものではありません。
要するに、これらが言わんとするところの真髄を見極めれば、自らの環境や置かれている状況を、どう捉えてどう考えたらいいかが、自ずと見えてくるはずなのです。
そして、そこから導き出された思考がまさに、起業家として、ひいては一人の人間として、人生を楽しむために必要な要素なのです。
すなわち、どんなことからでも貪欲に学ぶという姿勢や考え方のことです。
ひいては、自らの成長のために、1秒たりとも無駄にはしないという確固たる覚悟のことです。
電車での移動中に…
一つ、私の過去を振り返って、陳腐な例を挙げてみます。
電車での移動中に何もせずボーッとしている人について、「なんで本を読まないのか不思議で仕方がない」と仰る方がいました。
電車での移動中こそ、読書するのに極めてふさわしい時間だといってはばからない人でした。
一方で、全く逆のことを仰る方がいました。
「年齢も性別も職業も何もかもがバラバラなあらゆる人が、停車する度に駅から乗り込んでくる電車というものは、人間観察の絶好の場である。そういう人を観察しながら、あれやこれやと思案に暮れるのが、自己の意識を呼び覚まし、啓発するには格好なのだ。それなのに、多くの人は本を読んだり、居眠りしたりなど、どこでだって出来るようなことを電車の中でやっている。なんでそんな勿体ないことをしてしまうんだろう」
そんなロジックだったかと記憶しています。
ここで、どちらの意見が良いとか悪いとか、正しいとか誤っているとか、その是非を問いたいのではありません(今でこそ、ほとんどの方がスマホや携帯電話をいじっていることもあって、もはやそんな議論にすらならないかもしれませんね(笑))。
いずれも、その時間を無駄にせず、自らの成長や啓発のために利用するといった姿勢から生まれてくるものだということを言いたいのです。
要するに、たかが移動時間、されど移動時間、考え方一つでいくらでも有意義な時間に様変わりするという訳です。
事実、前者の方も後者の方も、日々勉強する努力を怠らず、何事においても貪欲に学ぶ姿勢をお持ちの、非常に尊敬出来る人でした。
我慢せずともやり続けられる思考回路
さて、当ページは決して、長い通勤や退屈な会議、無駄な資料などを、推奨するものではありません。
ただ、少し考え方を変えてみれば、それらに費やす時間だって十分有意義なものとして過ごすことが出来るはずだということを言いたいのです。
起業家として、あるいは人間として、成長するためには、生きていく上で無駄なことなど何一つないくらいの気持ちで、どんなことからでも貪欲に学ぶ気概が必要であるということです。
少し内容は異なりますが、その気概というのは、以下の過去ページで言及している「謙虚な姿勢を崩さず、成功のためなら何でも信じて採り入れる」といったスタンスとも、相通じるものなのです。
※参考 →「成功のためなら何でも信じて採り入れる」
そして、その気概があなたの中に生まれた時、あらゆることに対して「我慢せずともやり続けられる思考回路」が構築されたと言って間違いはないでしょう。