ビジネスと恋愛は似ているとか、多くの共通点があるとか、世間ではまことしやかに囁かれています。
この話題にまつわる言説は様々なものがあるのですが、どれもある意味で一定の納得をさせられるものばかりです。
先日触れた、「人間は口に出して言っていることとその本心とが、往々にして一致しないものである…」といった話も、ビジネスシーンにおいて顧客の本音を探る際に留意しなければならないことであるのと同時に、恋愛関係にある男女間の駆け引きにおいても、顕著に見られる現象であったりします。
※参考 →「本音を掴み取る」
最大の共通点
確かに、ビジネスにおけるマーケティングやセールスといった観点から考察してみても、男性や女性の心理を研究し、それを上手に活用している起業家や経営者は存在するものです。
つまり、異性も含めて人間の心理をよく分かっている人は、それをビジネスにうまく活かすことが出来るのでしょうし、恋愛対象の気持ちをうまく汲んで、応変に立ち回ることも出来るのでしょう。
そういった意味においても、ビジネスと恋愛の共通点は大いに存在し、双方は似ているということが言えるのではないでしょうか。
例えば、顧客に、商品やサービスの特徴や魅力を伝え、それを分かってもらい、いかに惹き付けるかといったビジネスの基本は、「顧客」を「異性の相手」に、「商品やサービス」を「自分」に置き換えてみれば、そのまま恋愛の基本ともなることがお分かりいただけるかと思います。
もちろん、顧客(異性の相手)を惹き付けるだけではなく、いかにその後のアフターフォローやサービスなどをきちんと行えるかが重要になってくるといった部分も、ビジネスと恋愛の双方で大事になってきます。
そして、それらはすべて、「人間」を相手にしているが故、と考えることが出来るのです。
まさにこれこそが、すぐに分かるビジネスと恋愛の共通点であって、要するに双方とも、基本的には「人間」を相手にするものであり、そこには一定のコミュニケーションスキル、あるいは広い意味でのヒューマンスキルといったものが必要になってくるということです。
これはもはや最大の共通点とも言えるもので、その他のあらゆる共通点は、すべてここから派生したに過ぎないと言っても過言ではありません。
マーケティング上手は口説き上手?
さて、もう少し具体的に考えてみれば、例えば、プロセスを重視すると言われている女性に対して、いきなり商品やサービスの魅力や利点(例えば価格が安いとか、デザインが素晴らしいとか)のみを強調してセールスしても、芳しい結果は得られないとされています。
であれば、女性には、まずその商品やサービスの生まれた目的や背景などの、プロセスを説明してあげるのが上手なやり方と言えるのでしょう。
これを知っている男性であれば、恋愛において女性を口説く際にも、ギラギラと見た目だけを着飾るようなことはせず、じっくりと手間隙をかけ、自らの内面やその背景を知ってもらうことで、その成功率を高めるのかもしれません。
実際、女性は男性に比べて一目惚れしにくいという説は根強く存在します(逆に言えば、男性は女性に比べて一目惚れしやすく、その比率は10倍とも25倍とも言われているようです)。
つまり、女性は恋愛においても、出会った後のプロセスを大事にしているということなのです。
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あるいは、男性に比べて、女性は仲間で群れたがる傾向があると言われています。
そのため、口コミといったバズマーケティングを標榜するならば、男性よりも女性をメインとしてターゲットに据えたほうが良いはずです(一説によれば、女性が口コミで他の人に情報を伝える量は男性の2倍以上とされており、さらにその浸透スピードは男性の3倍以上にもなるそうです)。
これを恋愛シーンでも活かすとすると、まずはターゲットとなる女性の周りにいる友人と仲良くなって…などという戦略が考えられそうですが、本当にそんなことをマメに実践出来る人は、ほぼ間違いなくモテるんじゃないだろうかという想像が出来ますよね。
要するに、こういった異性の相違や特徴をよく知り、ヒューマンスキルを駆使してそれをマーケティングやセールスといったビジネスに活かせる人は、プライベートにおいてもそれを活かして、上手に異性を口説くことが出来る…といったことが、大いに言えるのではないでしょうか。
私が考える「最も大事な共通点」
ともあれ、ビジネスと恋愛については、上述してきた通り双方が「人間」を相手にしたものであるが故、様々な共通点を見出すことが出来そうです。
その中で、私が最も大事であると考える共通点は、双方とも「ワクワクする」ものであるということです。
ビジネスも恋愛も、もしワクワクすることが出来なければ、つまらないし、苦痛で仕方がないでしょう。
双方とも、「ワクワクしてこそ、その意味がある」のです。
それ故、ワクワクしないことには、長続きなど決して望めないのです。
あるいは、ワクワクしなくなった時が終焉の時である、と言ってもいいかもしれません。
皆様におかれましては、ビジネスにおいても恋愛においても、ぜひ大いにワクワクしていただきたいものです。
何故なら、双方ともそれが成功のための必須要件であり、ひいてはそれ自体が「ビジネス」であり、「恋愛」であるのですから。
※参考 →「ワクワクするということ」