ビジネスの世界でしのぎを削っていれば、それも起業家という立場で事業を牽引しているとなれば、程度の差こそあれど、必ず感じるのが「コピーライティング」というものの重要性です。
コピーライティングとは、文字通りの意味で言えば「広告や宣伝のための文章を書くこと」です。
とはいえ、そのスキルを磨くことは、ただ単に広告や宣伝に役に立つというだけではありません。
要は、文章や言葉にどれだけの魅力を込めることが出来るか、それを見たり読んだりした人の心をどれだけ突き動かすことが出来るか、といったところの勝負、それがコピーライティングなのです。
すなわち、コピーライティングには、人に行動を起こさせたり、考えを促したりする力があるため、例えば、身近な人を鼓舞したり、従業員のモチベーションを上げたり、組織内の雰囲気を変えたり…といったことにも、極めて重要なものなのです。
また、コピーライティングのスキルを磨くことで、言葉や文章をアウトプットするという脳の回路が鍛えられるため、その結果、文章だけでなく、口から発する言葉や話の内容もしっかりとしたものに変わっていきます。
ひいては、コピーライティングのスキルを磨くということは、文章作成能力のみならず、
- 説得力
- 交渉力
- 折衝力
- 営業力
- 創造力
- 想像力
- 扇動力
- 勧奨力
- 情報発信力
- 人心掌握力
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などなど、ありとあらゆるビジネススキルを磨くことともイコールと言えるものなのです。
コピーライティングスキルを磨くために
では具体的に、コピーライティングのスキルを磨くためには、どうしたらいいのでしょうか。
これはもう、それだけで本の1冊や2冊になってしまうくらいの内容ですし、実際にそういった書籍がたくさん出ていますから、専門的な内容はそちらに譲るとして…。
最も簡単な方法としては、とにかく淡々と文章を書き続けることでしょう。
それも、一度に長い文章を書こうとするのではなく、短くてもいいから、毎日それを続けることです。
500文字、いや、400文字でも結構です。
400文字と言えば、学校でもお馴染みの原稿用紙1枚分です。
当サイトの1ページが、だいたい1500文字~2000文字で成り立っていますので、その5分の1から4分の1程度ということです。
出来れば、毎回違うテーマで、しかも、きちんと一回一回、話が完結するように。
「続きは明日」とかいうのは、なるべくなしで(笑)。
そして、最も大事なのは、「人に読ませることを意識して書く」ということです。
「自分だけが分かればいい」なんていうのは、メモ書きと一緒ですから、それではなかなかコピーライティングスキルなど鍛えることが出来ません。
「人が読んでどう思うか(どう思わせたいのか)」「何を感じてくれるのか(何を感じさせたいのか)」といったことを常に意識しながら書く。
これが、極めて重要なのです。
その意味で、世界中の人が目にする可能性のある、ブログを書き続けてみるなんていうのは、まさにうってつけかもしれません。
実際に、コピーライティングスキルを磨くことを大きな目的として、ブログを発信し続けているという人もたくさんいます。
そうやって書き続けていると、必然的に、分かりやすい言葉を探そうとします。
そして、辞書を使うようになります。
他人の文章を読んで、表現などを参考にするようになります。
そのうち、もっと分かりやすく、読む人を惹き付ける言い回しはないかと、考えるようになります。
かくして、自然と、コピーライティングに必要なエッセンスが、身についていくという訳です。
ネットではコピーライティングが成否を分ける
極端なことを言えば、コピーライティングのスキルを磨くと、普通は何百文字もの長い文章で説明しなくてはいけないようなことでも、さらっと一言で同じ効果を出すことが出来るようになったりします。
要するに、それによって、長い文章を書く膨大な労力を、他のことに向けられるという訳です。
単純に作業量がモノを言う世界から、内容や効率が勝負の世界へと、抜け出せるのです。
これは、Webサイトやブログ、あるいはメルマガなどを用いたネットビジネス(あるいは、それらを積極的に用いたマーケティング戦略など)においては、特に顕著な傾向であると言えるでしょう。
画像などを用いて見栄えを良くしたり…といった手法はありつつも、それらは基本的にテキスト(文章)で構成されていますから、まさにそこが冴えないものであっては、話にならないからです。
つまり、ネットビジネスの場合はことさら、コピーライティングスキルがダイレクトに問われるということです。
成功するかしないかは、コピーライティングスキルにかかっていると言っても、決して過言ではないのです。
ともあれ、ネットビジネスのみならず、あらゆるビジネスにおいて間違いなく重要となってくるコピーライティング。
とりわけ、成功を目指す起業家たるもの、間違いなく、率先してこのスキルを磨くべきでしょう。
「書き続ける」ということ
さて、コピーライティングのスキルを磨くためには、書き続けること、500文字でも400文字でも毎日書くことを続けること、とにかくこれが重要であるというのは、上述した通りです。
しかしながら、一言で「書き続ける」「毎日続ける」と言っても、実際には数々の壁や困難が行く手を阻み、長く続けることは容易ではないはずです。
忙しすぎると言われる現代人に拍車をかけるように、特に現代は、テレビなど昔からある娯楽に加え、あらゆる情報の宝庫であるインターネット(Webサイト)や、さらにはそれをどこでも閲覧出来るモバイル機器など、時間を食い潰す誘惑が多すぎるからです。
私など、YouTubeを観始めてしまうとなかなか止まらず、気が付くと数時間が過ぎていることなどしょっちゅうです(笑)。
言い換えれば、書くための時間や気持ちを阻害する要因が、身の回りに溢れている時代に、我々は生きているのです。
故に、ただ書くことは可能であっても、いざそれを毎日続けられるかということになると、簡単には出来ない人が多いはずなのです。
これに対してはもう、強靭な意志をもって臨むしかない…ということしか言えません。
一つ、コツがあるとすれば、「続けよう」と考えるのではなく、「休まないようにしよう」と考えることです。
もし、「今日1日くらい…」という気持ちで、安易に休んでしまうと、一気にたがが緩んで、いつしかそれが習慣になってしまいます。
悲しいかな、それが人間という生き物の性質であるようです。
とにかく、雨が降ろうが、槍が降ろうが、「休まない」という気持ちで臨んでみてください。
「続ける」ことを義務とするのではなく、「休んでしまう」ことを罪と考えるのです。
結局は同じことですし、ちょっとした思考の転換に過ぎませんが、実際、これで随分と継続率が上がるから不思議です。
ともあれ、ただ「書く」ことはともかく、「書き続ける」ということは本当に大事ですし、その反面、非常に難しいという訳です。
そのことは、著名な文豪が残してくれた以下の名言からも察することが出来ます。
ご参考までに。
「量は質を生む。書く量が少ない者は消える運命にある。」 (「華氏451度」などの名作を生んだ、アメリカのSF作家であるレイ・ブラッドベリの言葉) 「書くということに特別なことは何もない。ただタイプライターの前に座り、血を流すだけのことだ。」 (「誰がために鐘は鳴る」「老人と海」などの名作を生んだ、アメリカの小説家であるアーネスト・ヘミングウェイの言葉)