インターネットの登場によって、人々の生活は劇的に変化しました。
今さら言うまでもないことですし、当サイトにおいてもその功績はそこここで触れているものではありますが、国境(ロケーション)や人種、はたまたある意味では時間までをも超越してしまうその可能性は計り知れず、人類の歴史において大きな足跡を残し、そして人々の生活におけるその存在感は、今なお大きくなるばかりです。
もちろん、ビジネスにおいてもそれは同様で、インターネットの活用により、ほんの数十年前には全く考えられなかったようなビジネススキームが、今や立派な事業として成り立ち、それなりのマーケットを展開しているといったことは、さして珍しいことではないばかりか、むしろ当たり前といった状況です。
例えば、「IoT」(Internet of Things、モノのインターネット)といった概念によって、PCやモバイル機器はもちろん、家電やその他のあらゆる機械類、はたまたドアや窓、野菜や果物、花や草、犬や猫など…とにかく我々の身の回りにあるあらゆるものすべてが、インターネットによって一つに繋がる世界がもはや出来つつあることなど、ほんの一昔前に、誰が想像出来たでしょうか。
この先、まだまだインターネットの夢や可能性は広がりを見せていくことでしょう。
そして、それを舞台としたビジネスを考え、実際に生み出し、社会に価値を提供し、一方でその対価(利益)を享受する人たちは、今後もしばらくは後を絶たないことが予想されます。
もちろん、起業家として、私もそういった一人でありたいという気持ちは持っています。
人々の一歩前を先んじる
しかしながら、同じようなことを考えている人間は数多く存在し、日々しのぎを削っているはずです。
そのような状況において、起業家として重要なのは、さらにその一歩前を先んじることであると考えています。
それはいったい、どういうことか。
要するに、インターネットのその次に来るもの、(実利や存在感などといった意味で)次のインターネットになり得るもの、それを考え、予測し、ビジネスに繋げ、そして実際に行動する…これが、次世代を担う起業家としての大事な使命でもあると考えているのです。
上述した通り、インターネットにはまだまだ夢や可能性があります。
まだまだ世の中を変えるだけの革新性も持っています。
決してそれを否定するものではないのです。
もちろん、過去の産物として葬り去りたい訳でもありません。
ただ、それが当たり前のもの、いわゆるコモディティーとなってしまった今、次のそれを求め続けなければ、世の中の発展などあり得ないのです。
昨今はIT(Information Technology、情報技術)と同義に語られてしまうことも多く、逆に言えばもはやそれなしではITを語ることの出来ないインターネットですが、実はその親概念であるITですら、アメリカの著述家・評論家であるニコラス・ジョージ・カーによって、論文「ITは重要ではない」(原題:「IT Doesn’t Matter」)の中で、既にはるか昔の2003年の時点で、「もはやコモディティー化してしまっており、戦略的価値など持たない」と斬って捨てられているのです(この主張により、その後、現在にまで続いている様々な論議と騒動を巻き起こしたのですが)。
ともあれ、少なくとも、インターネットのその次に来るものをあれやこれやと考察し、可能性を追求するといった思考を持つことは、起業家にとっては極めて重要、かつ必然であるとも言えるのです。
具体的にはまだ分からない。でも…
とはいえ、こうやって偉そうに語ってきてはいるものの、それ(インターネットのその次に来るもの)が何であるのか、どういったものであるのか、どんな時代であるのか…といった問いに対する答えについては、実は私の頭の中でも具体的な形にはなっておりません。
それが明確に分かっていたら、既に何がしかの行動を起こしているはずなんですが(笑)。
巷では…。
- AI(Artificial Intelligence、人工知能)、並びにそれを伴う各種ロボット。これは昨今の生成AIなどの進化を見るに、最有力候補と言いますか、既に新たなテクノロジーとして一定のプレゼンス(存在感)を示していますね。上述した「コモディティー化」が最も進んでいる分野と言えます。
- 人類が不老不死になり、寿命という概念がなくなってしまうような、iPS細胞の研究がカギを握る…といった話もあります。
- ゲームの中のような仮想世界と、今のこの現実世界とを、自由に行き来出来るといった、映画「マトリックス」のような時代の到来である…とも言われていたりします。
- 眠っている時に見る「夢」を録画したり再生したり、あるいはそこから派生して、脳に直接作用して映像を見せたり記憶を書き換えたり…といった技術ではないかとも言われていたりします。
- 現在ある3Dプリンタのさらなる劇的な進化により、個人が自宅で何でも作れるような時代となり、売買されるのはもはやモノではなく、それを作るためのデータになる…といった世界の中にヒントがあるという話もあります。
- ドラえもんに出てくる「どこでもドア 」のような、一瞬で移動したり、あるいは物を瞬時に転送したり出来る技術ではないか…とも言われていたりします。
- 個人が自由に宇宙に行き来出来るような、そんな世界の到来が間近である…とも言われていたりします(ホリエモンこと堀江貴文さんは、これを視野に入れているお一人ですよね)。
,etc,etc,etc…
こういったこと(言い換えれば、来る将来に対する「夢」)を考えるのは非常に楽しいことであり、例を挙げ始めれば枚挙に暇がありません。
そしてその一部は、既に実現されつつあったりもするのです。
いずれにせよ、たまにはこうやって現在の一歩先の世界についてあれこれ考えてみるのも、起業家としての思考を鍛え、起業家脳を大いに活性化させることになるはずです。
そして、そんな中からビジネスのヒントを得たり、明日の事業に繋がる発見があったり…といったことは、決して珍しいことではないのです。