「1つのことにこだわりすぎてフレキシブルに動くことができず、物事の本質を見失ってしまう」というのは、起業家に限らず、よく聞く話です。
ただしこれ、私はある事柄に中途半端にとらわれたりこだわったりした結果であると感じていて、こと目標に関して言えば、徹底的にこだわることに問題はないと考えています。
人の土俵で戦うのではなく、自分自身で仕事を切り拓く
私は25年以上のIT業界経験があり(つまりは、まだ「IT」(Information Technology)という言葉自体が一般的でない時代から携わっています)、現在はその経験を存分に活かしながら、独立して起業や経営に関するコンサルタントの仕事をしています。
実は、当初から起業することにこだわっていたわけではなく、社会人になって15年ほど経過するまでは、漠然とこのままサラリーマン生活を続けるものだと考えておりました。
しかしながら、あるとき自分が「人の土俵で戦っている」ことに気付き、人に雇われるのではなく、自ら仕事を切り拓きながら自分自身の力で生きていきたいと強く感じるようになってからは、徹底的に「事業を興す」という目標にこだわりました。寝ても覚めてもそのことだけを考え、自らの研鑽や情報収集などに明け暮れたものです。
実際には、そういった生活を送りながら、さらに10年ほどの歳月をサラリーマン生活に費やすことになるのですが、ベクトルだけは常に「起業」に向いており、そのためのアンテナを研ぎ澄ませていたのです。実際、そのころの私の本棚には起業に関するビジネス書がずらりと並んでいたばかりか、起業家の特集や、ビジネスのドキュメンタリーといったテレビ番組(現在で言えば「カンブリア宮殿」や「ガイアの夜明け」といったところでしょうか)を録画したビデオテープが部屋の隅に山のように重なっておりました。
その経験が今、こうして花開くことにつながっていると確信しています。
目標だけを考え続けることで達成に近づく
「起業する」「○○の世界でイノベーションを起こす」「△△の分野でパイオニアになる」などの目標を定めたら、とにかくそのことに徹底してこだわり、大袈裟でなくそのことだけを考え続けるくらいの気概が必要です。
そうすることで、その達成に近づくのだと、私は確信しています。