以前に、普段の生活ぶりや、付き合っている周りの人間を見れば、その人の品位やレベルが自然と分かってしまうという内容に触れたことがあります。
※参考 →「生活を見ればその人が分かる」
さて、実はもっとミクロな視点での話、すなわち、その人が行う仕事の質や、ビジネススタンスなどについても全く同様で、日常生活の細かいところに、それは表れてくるものなのです。
例えば…。
絶対に先頭を歩かない人
複数人で一緒に歩いていると、絶対に先頭を歩かない人がいます。
必ず、誰かの少し後ろからついていくような人です。
そういう人でも、二人の時は、さすがに横に並んで歩くことが多いですが、それでも駅構内などの狭い場所で、それぞれが単独で進まなくてはならないような局面では、やはり絶対に前を歩くことがない。
これは、客先同行などの仕事においてだけではなく、近くのレストランに食事に行く際などのちょっとしたシチュエーションにおいても、全く同じです。
また、相手が上司や先輩だろうが、同僚や友人だろうが、部下や後輩だろうが、変わることはありません。
恋人同士で、女性が奥ゆかしく、男性の少し後ろをついて歩く…といった、そんなかわいいものではないのです(笑)。
恐らく、本人も意識してそうしている訳ではないことがほとんどでしょう。
「人の後ろを歩く」ということが、潜在意識にすり込まれているのか、もはや本能に近いものがあるのではないかと考えられます。
先頭を歩いて、どうやって行くか、どの道から行くか、はたまたもっと細かいことを言えば、道の右側を歩くか左側を歩くか、どれくらいのスピードで歩くか、などといったことを決める立場を、無意識に避けてしまっているのです。
他の人がきちんとついてきているか、知らぬ間に離れてしまっていないか、常に後ろを意識し、確認しながら歩くよりも、誰かの後にくっついていくほうが、はるかに楽だからです。
こういう人は、仕事においても、まず強烈なリーダーシップを発揮するようなことはないようです。
会議などでも自分の意見を強く主張するようなことはなく、周りに流され、迎合してしまいます。
歩く時と一緒で、意思決定したり、他者を先導したりすることを、意識せずとも避けてしまっているのです。
ひいては、こういう人が起業家として成功することも、そのままでは非常に可能性が低いと言わざるを得ないでしょう。
メニューがなかなか決められない人
また、意思決定に関する傾向ということで言えば、外食の際、メニューを選ぶシチュエーションにおいて、それが顕著に表れると言われています。
何人かのグループでレストランに入ると、メニューを見ながらずっと悩んでいる人が、必ず1人くらいはいませんでしょうか。
昼時の定食屋で、ランチメニューは3種類しかないのに、それでもなかなか決められないという人すらいます。
「食については徹底的なこだわりがある」という人もいらっしゃいますので、一概には言えない部分もありますが、大抵の場合そういった高尚な悩みではなく、ただ単に「決められない」のです。
そういう人は、単に優柔不断なだけなのでしょうか?
もちろん、それもあるのですが、パッと決められる人とは、物事の捉え方と思考の優先順位が全く違っているのです。
パッと決められる人は、そもそもレストランのメニュー一つにあまり重きを置いておりません。
逆に言えば、たとえそこで多少選択を誤ろうが、大枠で大した問題にはならないということを分かっているのです。
とある日の、とある定食屋で、とあるメニューを選んでしまって大変後悔し、それを後々までずっと引きずり、仕事やプライベートに影響を受けてしまうような人というのは、全くの皆無であるとは申しませんが、あまり考えられないですよね。
それよりも、その食事の場の雰囲気を楽しむとか、仲間との会話やコミュニケーションを図るとか、腹を満たしてその後の仕事をまた頑張るとか、そういったことのほうを優先しているのです。
そのためには、メニューなどスピーディーに決断してしまうという、もはやそういう癖がついていると言ってもいいかもしれません。
定食屋やレストランに入る前に、既に選択するおおよそのメニューの目星をつけているということも多いのです。
そして、そういう人は、ビジネスの場におけるリーダーとしても頼もしいことが多いし、決断もやはり早いのです。
諦めず、意識して修正することが大事
さて、そういう観点から、他の人の行動傾向や立ち居振る舞いを観察してみることは、少なからず自分自身のためにもなります。
「人の振り見て我が振り直せ」ではありませんが、自分自身にも同じような傾向が知らず知らず表れていないか、改めて意識してみるのです。
自分で気が付くようなことは、意外と、他の人にも見られていたりするものです。
ましてや、起業家としてトップにいるような立場であれば、そうやって注目されるのはなおさらのことです。
そして、もし思い当たる節があったとしても、決して諦めることはありません。
普段の生活から意識して修正していくことで、ビジネスにおいても同じように振る舞いが変わっていく可能性が、大いにあるものだからです。