もしかしたら、起業家の皆様、あるいは起業家を志している皆様におかれましては、「雰囲気を大切に」などという掲題を見て、「何を今さら…」という感想が拭えないかもしれません。
もちろん、「職場の雰囲気を良くしよう!」とか、「仕事は楽しくやろう!」とか、単純にそういったことだけを申し上げたい訳ではないのです。
いや、実はそれも遠からず、なんですが…(笑)。
なぜ今さらそんなことを言い出すのかというと、最近、「業績が芳しくない」「核となる事業がいまいち軌道に乗らない」「毎月かつかつの状態から抜け出せない」などと現状に窮する起業家を見る度に、思うところがあるからです。
それは、起業家(要するに経営者・社長ですね)がそんな暗い厳しい顔をしていて、業績など決して上向くはずはないということなのです。
雰囲気は結果に影響する
そんな時、私はまずは正直にこう言うことにしています。
「トップがそんな顔をしていてはいけません。こんな時こそ社長は笑顔で、雰囲気から改善していきましょう!」
これを、ただの精神論と言われようが、単純すぎると言われようが、短絡的と言われようが、私はとにかく、まずはこれが大事だと思っているのです。
要するに、トップの醸し出す雰囲気、ひいては、職場全体の雰囲気が、非常に大切であるということです。
確かに、ただの精神論かもしれません。
単純で、短絡的に聞こえるかもしれません。
しかしながら、それが業績という結果に与える影響は、決して無視出来るほど小さくはないことを、私は経験上、実感しているのです。
雰囲気の悪さが繋ぐ負のスパイラル
もちろん、その後に事業に対する具体的なアドバイスがあってのことなのですが、それでも実は正直なところ、そういった直接的な対策よりも、余程こちらを改善することのほうが効果があるのではないかと考えてしまうくらい、雰囲気の如何によって結果が大きく変わってくることがあるのです。
業績が芳しくなかったり、困難な状況からなかなか抜け出せなかったりするような組織は、概ね以下のようなループに陥っていることが多いものです。
業績が芳しくない、困難な状況である
↓
トップが暗い厳しい顔をしている
↓
職場全体がピリピリとした雰囲気になる
↓
雰囲気の悪い、つまらない職場では生産性が上がらない
↓
よって、業績もなかなか上がっていかない
(以下、最初に戻って繰り返し)
要するに、完全な「負のスパイラル」であるという訳です。
「何とかなるさ」
こういう言い方をすると完全に精神論だと言われそうですが、事業が思うように進まない時ほど、「何とかなるさ!」と考えて、せめて気持ちだけはポジティブに保っておかないと、組織全体がどんどん負のスパイラルに陥ってしまうことがあります。
トップとしてそういう雰囲気を作っていくということも、非常に大切な仕事なのです。
とはいえ、業績のことで思考回路がパンクし、頭がそれに奪われてしまうと、人間は職場の雰囲気や環境のことなど二の次になり、途端に考えることが出来なくなるものです。
ですからこれは、無理矢理にでも意識して行わないとなかなか出来ない事なのです。
笑顔で楽しく振る舞うことのススメ
これは、個人事業主として一人で仕事をしている場合などでも同様のことです。
難しい顔をして、近寄りがたい雰囲気を醸している人で、実は楽しく仕事をしているケースなんてそうはありません。
一人であっても十分、上述した負のスパイラルに陥る危険性はあるのです。
そしてこのことは、単に仕事の遂行や事業の運営に関してだけ言えることではないでしょう。
うまくいかない時こそ、とにかくまず、その場の雰囲気や自らの気持ちをポジティブなものにすること、これは、何事においても基本なのかもしれません。
笑顔で楽しくやっているように振る舞えば、そのうち本当に楽しくなるものです。
そうすれば、うまくいく可能性だって格段に上がってくるでしょう。
それは、以下のページで触れた、「as ifの法則」を考えてみても、しかるべきなのです。
※参考 →「自分に自信を持つ」