勝ち癖をつける(その2)

先日、起業家一人一人が頭の中で思い描いている「成功」とはまた別に、いわば起業家としての究極の境地として「勝ち癖をつける」ということが、いかに重要であるかについて述べました。

それは、人間として大いに成長するということでもあり、それを達成することによって、一人の人間としての人生が、大いに栄えある、楽しいものになるはずなのです。

そのためには、「勝ち癖をつける」という究極の目的を意識し、その達成を適えるべく自らを信じて、初めは小さな勝ちでもいいから、着実に努力して勝ちを繰り返すことが大切であると結論付けました。

※参考
→「勝ち癖をつける

今日は、これをもう少し落とし込んで、具体化してみます。

実は、「着実に努力して勝ちを繰り返すとは言っても、そのやり方が具体的に分からないから困っているんだ」といった声が、何気に聞かれたものですから(笑)。

勝つことの味を知る

さて、ビジネスに限らず、スポーツの世界でも、勉学や研究の世界でも、はたまた普段の私生活においても、勝つことの味を知っている者は、繰り返し勝ち続けることが出来るものです。

つまり、「勝ち癖をつける」とは、この「勝つことの味を知る」ことに他ならないのです。

「勝った時の快感を知る」と言い換えてもいいかもしれません。

そして、そのための策としてはやはり、日々の努力とその積み重ねでしかありません。

妥当な目標を立て、それを確実に達成する

具体的には、日々、妥当な目標を立て、それを確実に達成することです。

よく、「目標は120%で」といったことが言われますが、これは、自分の現在の力を100%とした際、それを少し上回る程度の目標を立て続けることで、効率よく成長することが出来るということです。

80%や90%の目標では、達成して当たり前ですから、成長はおろか、退化・衰退することにもなりかねません。

同じく、100%の目標は、成長ではなく、停滞・現状維持を意味します。

もちろん、到底達成不可能という目標でない限り、150%や200%でも構わないのですが、そういった細かい数字の是非はともかく、要するに、現在の自分が懸命に努力することで、ようやく何とか達成出来るかもしれないという、妥当な目標を掲げることです。

そして何より、それを確実に達成することです。

そのためにはまず、達成した自分の姿と、その際の自分の置かれている立場や環境の変化などを、詳細かつ明確にイメージすることです。

さらには、それに向かって、何があってもやり遂げるという強い意志を持つことです。

「達成しなければ殺される」というくらいの、危機感と責任感をもって、事にあたるということです。

きっかけを掴むと顔つきが変わる

120%程度の、要するに自分の現在の力では少し難しいと思われるくらいの目標が達成出来ると、それが以後も勝ち続ける大きなきっかけとなります。

人間とは面白いもので、一度これを味わうと、何やら顔つきまで変わってくるのです。

この顔つきの変化は、周りの人のモチベーションまでをも喚起し、大変頼もしく感じられる素晴らしいものです(私はこれまで、こういった人を何度も見てきて、その度に自分の気持ちまで鼓舞されました)。

これがいわゆる、「勝つことの味」を「知りかけた」状態です。

以後、その味を求め続け、猛烈に努力し、勝ちを繰り返すことで、ようやく「勝つことの味」を確固たる自分のものに出来るという訳です。

もちろん、その過程において、その味が分からなくなってしまう、すなわち負けてしまうことも何度かあるかもしれません。

それでも、一度その味(勝った時の快感)を味わったものは、麻薬のようにそれを追い求め続けることで、いつしか負けることがなくなっていくのです。

最初の目標を達成し、勝ち続けるきっかけを掴むことで変化したというその顔つきが、その時には名実共に「自分の顔」になっているという訳です。

誰のためでもない、自分のために

さて、勝ちを繰り返すことによって「勝つことの味を知る」ということについて、少し具体的に落とし込むことでしつこいくらいに言及してまいりましたが、何はともあれ、「勝つことの味」というものは、本当に素晴らしいものだということです。

そして、それを知ること、すなわち勝ち癖をつけるということは、他でもありません。

自分自身のためなのです。

極論、勝ち癖をつけるために、綺麗事などは必要ないのです。

誰のためでもない、会社や組織のためでもない、あなた自身のために、ぜひ勝ち続けてください。

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