起業家が事業を推進するにあたって、スピード感がとりわけ重要であるという話は、これまでも何度かしてまいりました。
※参考 →「柔軟性と敏捷性がカギ」 →「PDCAを何度回せるか」
最近、起業家の方にお会いしている中で、私自身そういった部分での「もどかしさ」を感じることも多く、今回は改めてそこを強調しておくことにしました。
何度の失敗を繰り返してきたか
特に事業が軌道に乗るまでは、とにかくトライアンドエラーで、細かいサイクルを短期間で何度も何度も繰り返すことが重要です。
そうしていく中で、もちろん失敗だって数多くあるでしょう。
うまくいくことのほうが少ないかもしれません。
スピードが速ければ速いほど、要するに、細かいサイクルを繰り返す回数が多ければ多いほど、それは必然的に、失敗の数も多くなるということになります。
でも、起業家はそれが当たり前なのです。
その状況に、慣れてしまうことです。
失敗が怖くて、どうも重い腰がなかなか上がらないといった人は、そもそも起業家には向いていないかもしれません。
起業家たるもの、失敗すること、ネガティブなことに対しては、ある意味で鈍感になることです。
失敗する度に、戸惑い、落ち込み、足を止めている暇などないのです。
起業家として、図太く生きることです。
起業で成功するまでの道のりなんて、ある意味で、細かい失敗の繰り返しでしかないからです。
何度の失敗を繰り返してきたかの勝負になるとさえ言っても過言ではありません。
成功する起業家は、事業におけるスピード感(ひいては「生きるスピード感」と言ってしまってもいいかもしれません)、これが、常人とは全く違うのです。
そのため、他の人間から見ると、もの凄く恐ろしいスピードで駆け抜けているように見えたりします。
ただ、起業家本人には、通常その自覚がありません。
「毎日の進展がもどかしくて、悔しさと虚しさでいっぱいです」などとこぼす人さえいます。
周りからは、とてもそうは見えないのですが、本人は、日々葛藤し、悩み、もがき苦しんでいるという訳です。
すなわち、毎日のように数多くの失敗を経験しているということです。
常人から見ればもの凄く恐ろしいスピードで駆け抜けながら、もの凄く数多くの失敗を経験し、そしてその間に、もの凄い成長を遂げているということなのです。
要するに、すべてのスピード感を、自らの成長スピードに繋げているという訳です。
一般道には戻れない
何かをしたい、やりたい、と思ったら、起業家には躊躇している暇などありません。
思い立ったら即行動です。
走りながら準備し、考え、整えていくくらいが、ちょうどいいということです。
※参考 →「完璧な準備など存在しない」 →「思い立ったらすぐに行動する」
起業したての方においては特に、一刻も早くこのスピード感を身につけることです。
起業家ならではのこのスピード感を、自らにとって、もはや当たり前にしてしまうことです。
車を運転される方ならお分かりになるかと思いますが、高速道路をしばらく走った後、一般道に戻ると、走っている車の流れがとても遅いように感じることがありますよね。
それはつまり、高速道路でのハイスピード走行が、当たり前となり、慣れてしまったからなのです。
起業家も、その感覚が重要です。
つまり起業家は、一般道ではなく、常に高速道路をハイスピードで疾走しているということを、当たり前のように自覚する必要があります。
もっと言ってしまえば、突然の分岐や急なカーブ、道幅も決して広くはない首都高速を、猛スピードで突っ走っているようなものです。
危険がいっぱいで、いつ事故が起きるか分かりません。
分岐を前に、どちらに進むかを素早く決断しなければ、即、中央分離帯に激突でしょう。
そんな状態です。
そして一旦、起業家のスピード感を身につけてしまえば、もはや一般道には戻れないのです。
これらのことは、サラリーマンとの違いとして、以下のページでも説明されていますので、ご参考までに。
※参考 →「サラリーマンと起業家の違い(その2)」
ともあれ今後、これまで以上の勢いで、ビジネスにおけるスピード感の重要性が増してくるはずです。
そういう時代になっているのです。
特に起業家においては、尋常でないレベルでの勝負になっていくことは間違いありません。
そんな状況で、成功という栄光を掴み取るためには、誰よりもハイスピードでずっと走り続けるしかないのです。