スモールビジネスの可能性

現在は、かつてないほどにスモールビジネスが全盛の時代と言われています。

本来、スモールビジネスとは、小さくても堅牢で強いという、優良な中小・零細企業やベンチャー企業に対する呼称であり、これまでの「大きいことはいいことだ」「大は小を兼ねる」といった、規模を重視した大企業偏重の時代に比べて、企業の優劣判定基準がビジネスの中身や質といったものに大きく変わってきていることを顕著に意味する、代表的な言葉として扱われてきました。

ただしここでは、一個人が自分の好きなことを形にしたり、ちょっとしたアイデアを具現化したりして、それが立派なビジネスとして成り立っていくという、いわゆる「スキマビジネス」あるいは「マイクロビジネス」などと呼ばれるものも含めて、「スモールビジネス」として統一させていただくことにします。

今、スモールビジネスが世界の潮流

さて、起業というと、それなりの資金を準備し、大規模な市場調査やマーケティング活動を行いながら、不眠不休の努力を長期間続けなければいけないといったイメージをお持ちの方が、未だに多くいらっしゃるようです。

ひいては、成功すれば大金が手に入るという天国が、失敗すれば借金まみれの地獄が待っているという、一か八かの大勝負という訳です。

確かに、いくら時代が変わったとはいえ、今でもそういった側面を100%完全に否定出来るものではありません。

しかしながら、現在はインターネットの隆盛もあり、自分一人のスキルポテンシャル、そして大いなる情熱があれば、わずかな資金と最小限のリスクを負うだけで、起業し、事業を推し進めることが可能な時代になっていることも、一方で間違いのない事実なのです。

例えば、海外の顧客を相手にすることなど、一昔前までは、潤沢な資金とそれなりのネットワークを持った、一部の大手企業でなければ為し得ないことでした。

それが今では、インターネットの活用によって、たとえ個人であっても、ことのほか簡便に世界中を相手にすることが可能となっているのです。

そういった時代の変化がそこここで発生し、それらが積み重なることにより、今やスモールビジネスにとって大きな追い風となっています。

昔から個人事業という形態や、小規模なビジネスはもちろん存在しましたが、現在ほどそれらの可能性が高まり、あらゆるファクターが見事に揃っている時代は、これまでなかったと言えるでしょう。

実際、それらを形にし、本業として立派に生計を立てている人、あるいは副業にも拘らず本業以上の収入を得ている人などが、数多く存在し、さらに今なお増え続けています。

そしてこういった潮流は、日本に限ったことではなく、実は世界中で発生している現実なのです。

人々の価値観は変化している

スモールビジネスが全盛となり、その可能性がこれまでになく高まっているということは、いったい何を意味するのでしょうか。

冒頭で触れた、企業の優劣判定基準にしても同様ですが、要するにそれは、人々の価値観がここへ来て確実に、しかも大きく変わっているということなのです。

言い換えれば、ビジネスの世界で生きていく我々にとって、そのキャリアにおいて重要視すべきポイントが、がらりと様変わりしたということなのです。

企業の合併・買収(M&A)やリストラクチャリングなどがもはや当たり前のように行われている昨今、たとえ大企業であっても、雇用されて働くということに絶対的な安心や安定を見出すことなど出来ず、ともすれば自らの力で独立・起業して人生の道を切り拓いていくことのほうが、リスクも少なく、安全であるといった見方すら可能となってきました。

もちろん、そうすることでそれなりの責任やプレッシャーといったものが自らに圧し掛かってくることにはなりますが、それでもそちらのほうが自分自身も納得のいく生き方であることに、異を唱える人は少ないでしょう。

死に際に後悔しない生き方を

起業に踏み切るべきか、あるいは踏みとどまるべきか、大いに悩み、迷っている方というのは、いつの時代も後を絶ちません。

そういう人に、私がいつも言っているのは、いずれにしても「死に際に後悔するような人生だけは歩まないようにしましょう」ということです。

いたずらに独立や起業のみを勧めている訳ではありません。

企業に雇われながら、そこで精一杯の力を発揮することだって、立派なビジネス人生です。

さらには、雇用されるか、あるいは独立・起業かといった、完全に二者択一という訳でもないのです。

上で言及した通り、スモールビジネスといった形であれば、企業に雇用されるという形をとりながらも、一方で副業として収入を得たり、自らの夢や希望を具現化したりといったことが、いくらでも可能な時代なのです。

その領域に踏み出すか、踏み出さないかは、完全に自分自身の決断次第です。

そして、周りの人に頼ったり、環境に流されたりせず、最後は自らがはっきりと決断することだけが、成功を掴み、ひいては死に際に後悔しない人生を送ることに繋がっていくはずなのです。

※参考
→「副業から始めてみる
→「やらずに後悔するより、やって後悔しない
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