起業家は睡眠をあなどることなかれ

起業家に限らず、誰にとっても、睡眠というものはとても大事ですよね。睡眠不足の時は、頭がボーっとして、注意力が散漫になります。やらなくてはならないことがあって、どんなに気合を入れて頑張ってみても、集中力が続かないことがほとんどです。思考力も明らかに鈍くなっているのが分かります。

それは、何故かと言えば…睡眠が脳を休ませる唯一の手段だからです。逆の言い方をすれば、起きている限り脳は活動しているということなんですよね。つまり睡眠は、身体の疲れを取るだけではなく、脳科学の観点からしても、一日中働いた脳の疲れを癒すという大変重要な意味があるということです。

かといって、睡眠時間は長ければ長いほど良いかというと、そういうものではないということも、多くの方が認識している通りです。寝すぎたら寝すぎたで、やはり睡眠不足の時と同じように、頭がボーっとして、何だか調子が出ない…といったことを経験したことがある方も少なくないでしょう。

これは科学的にも証明されていることで、あまり寝すぎると、お酒を飲みすぎて二日酔いになったのと同じような状態になるそうです。文字通り「睡眠酩酊」と呼ばれているのですが、要するに眠りすぎることで脳のサイクルが乱れ、体が重く感じ、頭がボーっとする状態になるという訳です。

すなわち重要なのは、「睡眠時間の長さ」ではなく、「睡眠の質」なんですよね。

寝る直前まで仕事する日々

成功した有名起業家の中にも、睡眠時間を十分に確保することを心掛けている人がいたり、起業家が成功するためには毎日7~8時間の睡眠が必要であると訴える専門家がいたりするというのは、よく知られている事実です。

そのため、実は私も起業当初は、毎日最低8時間の睡眠は確保するようにしておりました(繁華街での知り合いとの夜のお付き合い(?)が長引いてしまい、そうできないこともありましたが…(笑))。

ただ、目一杯仕事をしたかったので、寝る直前までパソコンやスマートフォンを使用して仕事をし、だいたいいつも決まった時間で切り上げて即座に寝る、といった毎日の繰り返しだったのです。

要するに、寝床に入る直前まで、特に目と、脳とを、ギンギンに活動させていたのです。

分かっちゃいるけどやめられない

これも多くの方がご存知かもしれませんが、就寝時間前の少なくとも1時間は、パソコンやスマートフォンなどを使用しないほうが良いと言われています。

簡単に言うと、それらの画面から放射される光が、脳を覚醒状態にしてしまうため、睡眠の質が著しく低下するからです。

実はこれ、私も知ってはいたのですが、目一杯仕事をしたかったですし、半信半疑ということもあって、どうしてもやめられずにいたのでした。こういうときって人は、「自分は大丈夫だろう」といった根拠のない自信を持っていたりするんですよね。今思い返してみると、何だか恥ずかしいですが…。

前述した通り、ともすれば「しないほうが良い」と言われていることを、ストレートに実践してしまっていたのです。「自分は大丈夫だろう」という根拠のない自信と共に…。

なんだかんだでやめてみる

ところがある日、8時間の睡眠を確保していても日中に眠くなることがあることに気付きました。

また、眠くはならずとも、仕事をしていてどうしても思考やひらめきに鋭さがなく、どうも生産性が悪いと感じることがありました。

頭がボーっとし、体全体にだるさを覚えることもしばしばでした。

特に午前中は、あくびをこらえきれないことも多く、8時間しっかり寝ているのに何故?という疑問が、その度に脳裏をよぎったのは、もはや当然のことでした。

初めは、いよいよ歳のせいか?などとも考えていたのですが(笑)、色々と考えて睡眠の質というものに思い当たり、前述した「しないほうが良い」と言われていることを、きちんと守ってみることにしたのです。

すなわち、就寝時間前の1時間は、仕事を、つまりパソコンやスマートフォンの使用を、一切やめるようにしてみたのです。

加えて、その1時間は、癒しの効果があると言われているモーツァルトの曲を聴いたり、ビジネスとは関係のない本をゆっくり読んだりするなど、出来るだけリラックスして過ごすことを心掛けました。

明確な効果を実感

さて、その結果、どうなったか。

明らかに、日中の調子が良いのです。眠気やだるさが、目に見えて減少したのです。以前より思考も冴え、頭がスッキリしている感覚が分かります。午前中のあくびも、明らかに少なくなりました。さらには、夕方や夜になっても、以前より疲れを感じる度合いが少なくなったのです。

それ故、仕事の生産性も、大幅にアップしたのです。

実は、正確に言うと、就寝時間の1時間前に仕事をやめるようにしたというよりは、仕事を終えてから1時間後に就寝するようにしたのです。

つまり、寝床に入る時間が1時間ほど遅くなったのです。

その状態で、起きる時間はあまり変えたくなかったので、8時間確保していた睡眠時間は概ね7時間程度に減っていました。

要するに、睡眠時間は減ってしまったにも拘わらず、明らかに状況は改善したということなのです。

強くオススメいたします

という訳で、ちょっとした心掛けの違いに過ぎないのですが、それによる睡眠の質の変化と、その影響力を、まざまざと思い知らされた経験となりました。

経験者として、私は声を大にして叫びたいと思います。

起業家たるもの、決して睡眠をあなどることなかれ。

就寝前のパソコンやスマートフォンは、極力控えましょう。

他にも、睡眠の質を悪くする行為に思い当たる節があれば、可能な限りやめてみることを強くオススメいたします。

逆に、睡眠の質を良くする行為や習慣として、夕食は早めに摂る(寝床に入る2時間前までには済ませる)、入浴はぬるめのお湯にゆったりと浸かる(こちらも体温の関係上、やはり寝床に入る2時間前までに済ませるのが理想だそうです)、日中に適度な運動をする、寝る直前のアルコールやカフェインの摂取・喫煙は避けるなど、さまざまなものがあります。これらを心掛けてみるのはいかがでしょうか。

また、ゆっくりと落ち着いて癒しの音楽を聴いてみたり、アロマ(芳香浴)を楽しんでみたりするのも、とてもいいかもしれません。

たとえ、私のように仕事をする時間が多少削られても、それによって睡眠の質が向上し、日中の生産性や効率がアップすれば、却って仕事量も増えるはずなのです。

なお、「睡眠の質」だけではなく、では「睡眠時間」について、起業家はどう考えたらいいのか?という疑問に対しては、ぜひ以下の記事をご参照くださいませ。

※参考
→「睡眠時間を削って仕事をすることが、起業家が成功するための必須要件か
タイトルとURLをコピーしました