起業家として謙虚であることの重要性は、当サイトでもしつこいくらいに触れておりますが、それと同時に自分に自信を持つことが大切であり、概して自己評価が高く、自分に自信を持っている起業家であるほど、実は非常に謙虚で、傲り高ぶったところがないということは、以下のページで言及しました。
※参考
→「自分に自信を持つ」
つまり、起業家として謙虚であることは、自分に自信がなかったり、単に腰が低いだけだったりすることとは全く異なり、自分に自信を持っているからこそ、環境の変化や突発的な事項など、周りの状況を柔軟に受け入れることが出来る、人間としてとても魅力のあることなのです。
上に挙げたページでは、「as ifの法則」「プラシーボ効果」「ピグマリオン効果」「引き寄せの法則」などにも触れながら、起業家たるもの、ともかくいつどんな時であっても大いに自分に自信を持ち、ただただ成功に向けて突き進んで欲しい旨、強調したのですが、少々精神的・宗教的な内容(要するにスピリチュアル)に振れているきらいもあり、捉え様によっては抵抗を感じた方もいらっしゃったかもしれません。
ただ実は、成功している起業家においては、こういった心理的な法則や精神的な概念を、非常に大事にしている方が多いのです。
言い換えれば、験(げん)を担いだり、縁起物にあやかったり、迷信やジンクスを気にしたりといった、ともすれば一見非科学的なものを、頑なに信じたり貫いたりしている人が多いという訳です。
他人から見たら、極めて些細でくだらないと思われるようなことですら、当人は至って真面目に信じたり、実行したりしているのです。
その根底にある思考は、「成功のためなら何でも信じて採り入れる」という、起業家として揺らぐことのない確固たる感覚から来るものです。
なにも、神様を信じたり、宗教的な感覚を強く持っていたりする起業家が、成功しやすいという訳ではありません。
成功のためになりそうなことを、何でも貪欲に、かつ「謙虚に」採り入れるという、姿勢こそが大事なのです。
ここでもやはり、ポイントとなるのは「謙虚」です。
あのイチローさんに学ぶ
もはや説明など不要、天才プレイヤーとして、日本プロ野球界のみならず、アメリカのメジャー・リーグでも「安打製造機」「魔法使い」などと呼ばれるほどの大活躍で、数々の大記録を打ち立て、まさに歴史に名を残すこととなったイチローさん。
40歳を過ぎても周りから一目置かれる影響力と、一挙手一投足にまで注目されるその存在感は、同じ日本人として大変誇らしい限りでした。
残念ながら2019年に現役を引退してしまいましたが、選手時代は、彼の朝食メニューが毎日同じものだったり(後に止めたようですが…)、自宅を出発してから試合会場となるグラウンドに足を踏み入れるまでのルーティンを毎回ほぼ同じ流れで貫いていたりすることは、あまりにも有名です。
また、バッターボックスに入って構えるまでの動作が毎回決まっている(同じである)こともよく知られていますね(それをそっくり再現するモノマネ芸人の方もいらっしゃいますし、同じようにマネをする子供たちも未だに多いとか)。
イチローさんはそれ以外にも、常日頃からあまりにも決まりきった段取りが多く、アメリカでは「ルーティン・マニア」と呼ばれていたそうです。
多くのスポーツ選手も大事にしていること
さて、イチローさんの他にも、随所で毎回同じルーティンをこなすことを大事にしているスポーツ選手は多いものです(これも少し前の話になりますが、ワールドカップで世界の強豪国を次々と破り、一躍脚光を浴びて大人気となったラグビー日本代表の一人、五郎丸さんがキック前に行う動作が有名でしたね。こちらも「五郎丸ポーズ」などと呼ばれ、イチローさんのルーティンと同じく、ネタにする芸人さんが現れたり、マネをする子供たちが後を絶たなかったりしたようですが(笑))。
ルーティン以外にも、例えば試合会場には必ず右足から入るとか、勝ち続けている時はヒゲを剃らないとか、重要な試合では必ず決まった下着を身につけるとか…。
他人からすれば、非常に些細なことかもしれませんが、本人は極めて大事に考え、頑なに守っていたりするのです。
これらをメンタルトレーニングの一種として行っている場合もあり、すべてを単なる験担ぎ(げんかつぎ)と一言で片付けてしまうことはあまりにも乱暴かもしれませんが(イチローさんの打席前ルーティンなどは、明らかにただの験担ぎではありません)、いずれにしても頑なにそれを貫き通す姿勢からは、「成功のために何でも信じて採り入れる」という、成功している起業家が持っているものと同じような感覚を学び取ることが出来るはずです。
ともあれ、スポーツ選手においても、そして成功している起業家においても、上述したページで触れた「as ifの法則」「プラシーボ効果」「ピグマリオン効果」「引き寄せの法則」などを(多くは無意識のうちに)実践している人は多いのです。
スピリチュアルな内容をあえて持ち出した裏には、実はそういった事実もあったのです。