自分に自信を持つ

最近、「起業家としてどうなんだ?」と疑問に思ってしまうほど、ネガティブ思考で見るからに自信がなさそうな起業家さんとお会いすることが多かったこともあって、「自分に自信を持つ」ことの重要性を再認識しています。

それらの起業家さん、皆例外なく思うような結果を残せておらず、それによってまたネガティブ思考になって自信をなくしているという、まさに負のサイクルにはまっている人たちだったのです。

「自分に自信を持つ」といっても、うぬぼれたり、自意識過剰になったり、といったことではありません。

特に起業家たるもの、自己評価を高く持ち、自らに期待し、己の成功を強く信じて突き進まなくてはならないということなのです。

そして、実はこういった起業家ほど非常に謙虚で、傲り高ぶったところがないため、周りの人もついていく、といったことが多いような気がします。

さらにそういう人は、環境の変化や突発的な事項を柔軟に受け入れて、適切な対応を取ることが出来るのです。

要するに、人間として非常に魅力的なのです。

私は常々、「起業家は謙虚であれ」と説いていますが、「自分に自信がない」のと、「謙虚である」こととは、全く違います。

※参考
→「サラリーマンと起業家の違い
→「サラリーマンと起業家の違い(その2)
→「起業するほうが偉いという訳じゃない

実は、自分に自信がない人間ほど、いざというときに横柄になったり、ちょっとしたことで傲り高ぶったりするものであるというのが、私の考えです。

そんな人、あなたの周りにもいらっしゃいませんでしょうか。

as ifの法則

さて、「自分に自信を持つ」ということなのですが、本来、それほど難しいことではないのです。

にも拘わらず、「なかなかそんなこと出来ない」という人も多くいらっしゃるというのが現実です。

確かに、何においても「自分なんてどうせ…」といった思考から始まってしまう人は多いものです。

そんな方には、まず「as ifの法則」(アズイフの法則)を認識するところから始めていただきたいと思います。

「as ifの法則」とは、「思考や感情は、自らの行動を感知した結果、生じるものである」というものです。

「as if」を日本語に直訳すると、「まるで~のように」といった意味ですが、簡単に言えば、「まるでそうであるかのように振る舞えば、そのようになる」ということです。

「人は、悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ。」
「人は、嬉しいから笑うのではなく、笑うから嬉しいのだ。」

これらの言葉を、聞いたことがありませんでしょうか。

ウィリアム・ジェームズとカール・ランゲという二人の心理学者が提唱した「ジェームズ・ランゲ説」ですが、これもまさに「as ifの法則」です。

この法則には、実は多くの実験結果があり、科学的にも証明されていることなのです。

プラシーボ効果

一方で、「プラシーボ効果」なんてものもあって、これはご存知の方も多いと思うのですが、薬でないものでも薬だと信じ込んで飲むことで、当然ながら本当は効き目がないにも拘わらず、実際に症状が改善してしまうというものです。

「病は気から」なんていう言葉もありますよね。

病気には「気の持ち様」が大きく影響するということですが、こちらも現代医学によって科学的に証明されているんだそうです。

例えば、あなたにも経験がありませんでしょうか、ついさっきまですこぶる元気だったのに、自分に熱があると分かった途端、急に体がだるくなって動けなくなってしまうということが…。

また、睡眠不足の状態は、何をやるにも捗らず、効率が悪くなってしまうものですが、睡眠不足であることを忘れ、十分に眠ったものと思い込んでいると、実際には睡眠不足の状態であってもパフォーマンスを向上させることが可能だそうです。

睡眠不足という事実が、脳や体に悪い影響を与え、パフォーマンスが低下してしまうというのはもはや当然なのですが、「自分は睡眠不足である」という意識は、さらにそれを助長させてしまうようです。

そのため、「十分に睡眠をとった」と意識を切り替えることで、それを食い止めるという訳です。

このことは、歴とした研究や実験によって明らかになっているそうで、研究者たちの間では「プラシーボ効果」ならぬ「プラシーボ睡眠」と呼ばれているんだとか。

要するに、人間の状態や、それによる行動やパフォーマンスにおいて、いかに「気の持ち様」が大事かということですね。

意識と行動は相互に依存している

さて、結局何が言いたいのかというと、なかなか自分に自信が持てない人、何事も「自分なんてどうせ…」といったネガティブ思考から入ってしまう人は、まずはとにかく「自信があるように振る舞ってみる、行動してみる」ということが大事だということです。

そして、「as ifの法則」によって、その行動が思考や感情に影響を与え、意識や気の持ち様が変化し、実際に自信が持てるようになれば、「プラシーボ効果」「プラシーボ睡眠」などで示されているように、それがまた自らの行動やパフォーマンスを変えるきっかけになるということです。

要するに、意識や気の持ち様と、実際の行動やパフォーマンス、取っ掛かりはどちらでも構わないのですが、それらは間違いなく相互に依存し、影響し合っているということなのです。

※参考
→「すべては心の在り方次第
「心は形を求め、形は心をすすめる」という有名な仏教の教えを取り上げている節で、まさにこの相互依存について触れています。

ピグマリオン効果

かくして、人間は自分に自信が持てるようになると、自分の行動や結果に対して、どんどん期待を持つようになります。

そして、自らに期待を持っていると、さらにパフォーマンスが発揮され、それにより成果が向上するということが往々にしてあるのです。

これが「ピグマリオン効果」です。

元々は教育心理学における考え方で、教師に期待されていることを認識している学生のほうが、そうでない学生よりも成績の伸びが顕著になるという概念なのですが、ひいては「人間は、期待された通りに成果を出すものである」こととされています。

つまり、期待されると、人間は自然とそれに応えようとするのです。

自らに対する期待であってもそれは同じであって、それに応えようとすることで、自ずと成果が向上するという訳です。

引き寄せの法則

さらに、自らの成功を強く思うこと、それを明確にイメージし、その実現を信じることで、実際に成功の可能性が高くなると言われています。

「引き寄せの法則」というもので、自らの思いや信じ込みを、自ずと引き寄せてしまうという訳です。

成功を強く思い込むことで、それが現実化するのです。

これは、決して「信じていればいつか叶う」といった神頼み的な話ではなく、何かの目的や目標を明確にイメージすることで、それに向けて実際の行動に変化が現れるからだと考えられています。

要するに、成功を強く信じ、それを明確にイメージすればするほど、自ずと人はそれに沿った行動を取り、そのために努力するようになるということなのでしょう。

大いに自信を持って突き進む

さて、今回は様々な法則や概念を引き合いに出してみましたが、あくまで分かりやすく説明するために持ち出したまでであって、決して他意はありません(笑)。

いずれにしても、起業家たるもの、いつどんな時でも大いに自信を持って、ただただ成功に向け突き進んでいただきたいと思っています。

たとえ失敗があろうとも、なかなか思うような結果が出せなくとも、自分を卑下し、ネガティブになっている暇など、起業家にはないのです。

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