フットワークの良さが決め手

現在のような激動の世の中にあっては、日々予想外のことが起こり得るものです。

その度に、いちいち慌てふためき、立ち止まっていたら、一歩も前には進めません。

そんな時代をスマートに生き抜くためには、あらゆる事象に対して臨機応変に対応する柔軟性、突然の方向転換も辞さない決断力、そして決断したら即座に動き出す行動力、といったスキルが少なからず必要なのです。

それらを一言でまとめれば、広義での「フットワークの良さ」ということになるでしょうか。

特にビジネスの世界において、さらには起業家にとっては、それ如何で成否のほどが大きく左右されてしまうほど、この「フットワーク」というものが非常に重要なファクターとなってくるのです。

ジャパネットたかたのフットワーク

ハイテンションな独特の物言いなどで一躍有名となってから久しい、テレビショッピングでお馴染みの「ジャパネットたかた」。

※余談ですが、未だに「ジャパネットたかだ」という人がいらっしゃいますが、正しくは「ジャパネットたかた」です。

生放送で紹介する商品については、日々変化する状況や時事などを鑑みて前日に決めるそうなのですが、事態に応じて、たとえ本番開始10分前であっても、変更することがあるのだそうです(!)。

例えば、雨が続くと分かれば、急遽乾燥機を紹介したり、花粉が多い日には、空気清浄機の紹介に切り替えたり…といった具合です。

創業者の高田明さんは、「これが最高なのだろうか?これ以上出来ることはないのだろうか?」と常に心の中でつぶやきながら、その時その時の最善を尽くしている、といったようなことを以前おっしゃっていた記憶がありますが、これはまさに、そういった気持ちの表れなのでしょう。

現在は高田さんも引退し、社長の座を後進に譲った上、テレビ放送にも出演しなくなっていますが、その魂は今でも、見事に受け継がれているものと感じます。昨今、ますます隆盛を極めている感じですよね。

しかしながら、魂や気持ちはあっても、実際にフットワークの良さが伴わなければ、こういった対応は出来ません。

通常、生放送開始10分前に内容を変更するなど、失敗を恐れるがあまり、なかなか踏み切れないことでしょう。

しかも、番組内容の肝とも言える、商品自体の変更ですから、生半可な決断や覚悟では、到底出来ることではありません。

とにかく、今出来ることをやる。

ベストを尽くす。

その強い想いが自らを突き動かし、まさに臨機応変に対応する柔軟性と、10分前であっても内容を変更する決断力と、実際にテレビの生放送でそれをやってのけてしまう行動力といった、類い稀なるフットワークの良さに通じているのだと思います。

失敗など恐れない

さて、ジャパネットたかたの見事なフットワークをご紹介しましたが、恐らく、高田さんの辞書に、「躊躇」という文字など存在しないのではないかと推測します。

一旦「こうしたほうが良いのでは?」と思ってしまったら最後、それを実現しないととにかく気が済まないという訳です。

そのせいかどうかは分かりませんが、ジャパネットたかたのテレビショッピングでは、実演に失敗してしまうなどのミスが、結構発生していると聞きます。

生放送ならではのミスとも言えますが、中でも高田さん自ら「最大の失敗」と認めるのが、とあるデジカメの紹介で、金額を1万円も安く言ってしまったことだとか。

さすがに「安い!」と感じる視聴者が多かったのでしょう、注文が殺到してしまったため、その値段で販売せざるを得ず、大赤字を計上してしまったとのこと。

それでも直前の商品変更や、生放送という形態自体を止めなかったというそのこだわりは、会社の現キャッチコピーである「「今を生きる楽しさ」を!」にも表れているような気がします(笑)。

こういった例からも分かるように、フットワークの良さというのは、ともすれば焦りや勇み足に繋がり、失敗が伴うことも多いでしょう。

しかしながら、失敗など恐れていては決して前には進めません。

ひいては、成功など望むべくもありません。

失敗など決して恐れないジャパネットたかたのスタンス、そしてそこから生まれるスピード感やダイナミック感は、起業家としてぜひとも見習いたいところです。

※参考
→「起業家のスピード感を身につける
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