起業家と年末年始

今年も早いもので3ヶ月目に突入しています(本記事の初稿は3月執筆)。本当に時が経つのは早いものです。つい先日、紅白歌合戦を観ていたような気がするというのに…。そんな中、ちょっとタイミングを逸した内容である感じは拭えませんが…。

年末年始にあたっては、多くの方が過ぎ去った一年を振り返り、あれやこれやと反省し、それを踏まえて、来るべき新しい年を想像し、こんな年にしたいと期待したり、様々な目標を立てたり、決意を新たにしたりします。

時代の流れや移り変わりが激しいと言われている昨今は特に顕著ですが、当然のことながら、新しい年は、過ぎ去っていく年とあらゆる面において変わってくるはずです。

起業家の舞台となるビジネス環境については、どんどんと悪化の一途を辿るばかりかもしれません。

あるいは逆に、大いに好転し、自らの事業をより軌道に乗せる大きなチャンスが訪れるかもしれません。

専門家による「予想」や「推測」はもちろん一定の指針にはなりますが、それとて、100%確実なものではありません。

今の時代、来る1年において何が起こるのかを正確に予測することなど、誰にとっても不可能なことなのです。

誰もが特別な気持ちになる

そんな環境においても、自らの事業や自分自身の状況について、しっかりと年間を通したイメージを確立し、成長や飛躍を見据えた前向きな1年にするべく、努力を継続しなくてはならないのが、起業家というものです。

ただ、「思い立ったらすぐに行動する」のが起業家であり、「明日やろうはバカやろう」などとことさら言われる状況にあって、年が変わってから気持ちを新たに行動するということに、多少の違和感を覚える方もいらっしゃるでしょう。

やると決めたら「今すぐに」行動するのが、まさに起業家のはずだからです。

そこには、始める時期を先延ばしにする思考など、基本的には皆無のはずだからです。

※参考
→「思い立ったらすぐに行動する

それでもやっぱり、新しい年の初めというのは、自然と特別な気持ちになるというのが多くの方における正直なところでしょう。

「今すぐに動きましょう!」「遅れは命取りです!」などと、私も普段は偉そうに起業家を鼓舞してはいるものの、自分自身も年始という一つの区切りにはそういった特別な気持ちになってしまうということ、これは素直に認めざるを得ません(笑)。

言い換えれば、期待と不安が入り交じり、いい意味でリセットした気持ちで、体の奥底から意欲が湧き上がってくるあの感覚を持てるのは、年始をおいて他にないかもしれません。

そういう意味でも、新しい年になったから気持ちも新たに…と考えてしまうのは、無理のないことではあるのです(…と、自分にも言い聞かせています(笑))。

独特な雰囲気を大いに利用する

それはつまり、たとえ普段はすこぶる腰が重いような人であっても、何か新しいことを始めたり、変化や改善のきっかけを掴んだりするには、年始という時期がこの上ないチャンスとなる、ということを意味します。

そのためには、実際に年が明けてしまってからあれこれ考え始めても遅い可能性があり、年末からじっくりと、それなりの準備と心構えを進めておくことが出来ればベストかもしれません。

明確な目標を定めるもよし、何か自らのスローガンやキャッチコピーを決めるもよし、具体的なビジネスのプランを立てるもよし。

年末年始という独特な雰囲気を大いに利用し、一旦仕事の手を休めて、普段では考えられないようなことをじっくりと考えてみるというのも、決して悪くないのではないでしょうか。

年末年始でも仕事をするのが起業家なのか

とはいえ、起業家であれば、年末年始ですら休む暇などないといった方も現実にはいらっしゃることでしょう。

あるいは、周りが仕事をしない年末年始こそ、あえて仕事をして売上を上げるのが起業家であるとの言説も存在します。

確かに、忘年会や新年会を始めとしたイベントごとが多いだけではなく、クリスマスからお正月へと続く世の中のその雰囲気を鑑みても、人々の気持ちが高揚し、財布の紐が極端に緩む時期ではあるのです。

従って、年末年始に仕事に勤しむことを100%否定するものでは決してありませんが、それでも私は年末年始という大きな区切りに普段の仕事を少しの間だけでも離れて、起業家としての気持ちの整理と、大事な思考の時間に充ててみるということを、推奨したいと考えています。

ひいてはそれが、停滞感の適度な打破や、マンネリ化の抑止、あるいは健康的なメンタルの確保などにも繋がり、結果的には良好な仕事の循環へと、発展することが多いからです。

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