成功したその先に何が見えるのか

事業が軌道に乗って安定し、それなりの収入も得て、傍から見れば見事に成功していると思われる起業家の方というのは、私の周りにも大勢いらっしゃいます。

しかしながら、本人たちに言わせると、周りが思っていほど「成功した」とは感じていないケースが多いものなのです。

それは、いったいどういうことなのでしょうか。

起業を目指して努力している方、あるいは起業して間もない方にとっては、「自分にはそんなのまだまだ先の話」と思われるかもしれませんが、いい意味でも悪い意味でも、先行き不透明なのがビジネスです。

いい意味で言えば、今の世の中、何がきっかけになって、顧客が殺到したり、商品やサービスが爆発的に売れ始めたりするのかなんて、誰にも分からないのです。

要するに、近い将来、あなたの身にも早々に「成功」が訪れるかもしれないのです。

そういった夢が見られるのが、起業の醍醐味でもあります。

ともあれ、誰にとっても、いい意味で「明日は我が身」かもしれないということで、成功に向けてひた走る上での一つの参考までに、お読みいただければと考えます。

「成功した」と感じられない3つのパターン

さて、周りが思っているほど「成功した」とは感じていない起業家の方々。

当サイトでもあちこちで触れていますが、起業のきっかけは人それぞれ、そして「成功」の定義も人によって様々でしょう。

何がどうなれば「成功」と言えるのかなんて、周りの人間が無責任に判断出来ることではないのです。

※参考
→「何をもって成功とするのか

ただ、私が接している起業家の方の中には、ご自身が当初から目論んでいた「成功」の定義を、見事に実現してしまっているという人も多いのです。

そして、そういう人ですら、ご本人はそれほど「成功」を感じていなかったりするのです。

昔から、「貧乏人は金持ちに憧れるが、金持ちは貧乏人が思っているほど実は幸せを感じていない」といったようなことが言われます。

「お金があればあったで、別の不安や悩みが生じるものだ」という意味合いで語られたり、あるいは「人の幸せは、お金がすべてではない」といったことを示す際の引き合いに出されたりするものですが、なるほど実際に「不幸なお金持ち」の方というのは、いくらでも存在するようです。

成功しているようで「成功」を感じていない起業家を、それと同レベルで語ってしまうのはいささか乱暴かもしれませんが、私的には何か同じようなルーツを感じてしまいます。

そしてどうやら、そのケースには、大きく分けて3つのパターンがあるようです。

1.飽くなき欲求

まずは、当初考えていた成功の条件を満たし、実際に欲していたものや立場を手に入れたにも拘わらず、まだまだそれでは飽き足らず、もっともっと上を目指してしまうというケース。

要するに、人の欲求は留まるところを知らない、言い換えれば、人間はどこまでも欲深い生き物であるということに起因するパターンです。

「欲深い」などと言ってしまうと少々イメージが悪いですが、現状に満足せず、さらなる飛躍を追求しているということは、まさに起業家として評価されてしかるべきではないかと考えます。

すなわち、このパターンにはまっている起業家の方は、私も素直に応援したくなるものです。

2.燃え尽き症候群

次のケースは、当初の成功条件を満たし、目的を達成してしまったことで、いわゆる「燃え尽き症候群」のように、意欲が低下し、事業に打ち込む気力が減退してしまっている状態です。

これについては実は、「成功した」ということ自体は、ご自身も認めているケースがあります。

しかしながら、「成功したけど思ったほど幸せではない」「私の目指していた成功とはこんなものだったか」などと、大きな虚脱感に襲われていたりするのです。

極論、早急に新たな目的や目標を見出さないと、起業家としての人生そのものが、大いに不幸なものになってしまうかもしれません。

たとえそこまでは行かずとも、「止めるに止められず、惰性で続けているだけ」とか、「一刻も早く引退したい」などと考えている起業家が、このケースでは少なくないのです。

3.拭えない不安

最後のケースですが、起業当初、あるいはともすれば起業前から慢性的に続いていた漠然とした不安やストレスを、当初考えていた成功状態に身を置いた今となってもなかなか拭い去ることが出来ず、引き続き大きな不安やストレスと戦っているというものです。

そして、「この不安やストレスが消えない限り、成功したなどとは言えない」と考えていたりする訳です。

これについては、起業家であり続ける限り、多かれ少なかれ不安やストレスは切り離せないものであると考えることも出来るため、仕方のない部分もあります。

ただ、成功してもなお、それ(不安やストレス)が起業当初と変わらないような強いものである場合には、その状態に心と体がいつまで耐え続けられるかといった時間との勝負になってしまいます。

つまりこれも、2のケースと同じく、何かしら早急に手を打たないと、非常によろしくない状態に陥ってしまう可能性があるのです。

また、「成功しても不安で仕方がない」という状況は、すなわち「満足など出来ない」ということであり、その意味では、1のケースとも通じるものがあるようです。

大事なのは後悔しないこと

周りが思っているほど「成功した」とは感じていないという起業家の方々における、3つのパターンを見てまいりましたが、往々にしてこのうちのどれか、あるいはこれらを組み合わせた理由によって、そういう状況が発生しているようです。

今の段階で、これらに対する特効薬のようなものはありません。

少なくとも我々が出来ることは、先人たちのこういったケースを少しでも参考にしながら、「ではどうしたらいいか」ということを、それぞれが考え、悔いのない起業家人生を送るべく努力することでしょう。

成功したその先に何が見えるのかは、人それぞれです。

そこからの景色も、感じる風も匂いも、さらに続く道やその方向も、人によって様々です。

大事なのは、いざ死ぬ段になって、後悔しないこと。

「幸せな人生だった」と思えること。

あなたが独自の成功を掴み、その時にあなたならではの景色が見えるのならば、それでいいのではないでしょうか。

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