起業に相応の資金が必要となることは言うまでもありませんが、実際のところ、自分が想像していた以上に何かとお金が必要だったというのは、非常によく聞く話です。
会社を設立する場合、資本金・事務所開設費・各種設備購入費など、設立資金が少なからず必要になるのはもちろんですが、比較的簡単に実現可能な個人事業主として起業する場合であっても、同じように事務所の開設費など種々の起ち上げ経費が嵩んでいくことでしょう。
また、起業時に一時的に必要となるお金(イニシャルコスト)だけではなく、その後事業を継続していくための、いわゆる運転資金(ランニングコスト)が必要となることも忘れてはなりません。
特に、初期の運転資金については、多め多めで見積もっておくのに越したことはありません。
ビジネスの種類などによっても大きく異なりますが、事業が軌道に乗るまで、すなわち安定した売上が確保出来るようになるまでの期間は、最低でも3ヶ月、通常6ヶ月から1年くらいはかかるものとされているからです。
ともあれ、金融機関からの融資や助成金など、苦労してかき集めた資金が、あれよあれよという間に目減りしていくことに驚きを禁じ得ない新米起業家は、私の周りにもたくさん存在します。
ネットビジネスだって例外という訳ではない
基本的には、今使っている1台のパソコンがあれば可能…などと謳われることも多いネットビジネスによる起業の場合などは、例外としてこれまでの話があまりあてはまらないように思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それとて実際には、日々ビジネスを進めていく上で様々な出費が生じてきます。
勉強のための書籍代やセミナー代、同業者との交流・交際費、サイト作成のための各種ツール・ソフトウェア購入費、などなど…。
さらには、手持ちのパソコンではスペック不足を感じて、より生産性を高めるために最新マシンが欲しくなることだってままあるでしょう。
時には、関係者と喫茶店で打合せをすることだってあるかもしれません。
その時の移動代やコーヒー代だって、回数が重なればバカには出来ない金額です。
ネットビジネスであれ、何であれ、どんな形の起業であっても、予想外の出費が嵩むものであるとの認識は、持っていたほうが間違いなく賢明なのです。
税金や国民年金の額に驚く人は多い
その他、起業家が予想外の出費として驚くことが少なくないものの一つに、税金があります。
サラリーマン時代にはほとんど会社に任せっきりで、税金のことなどほとんど意識したこともなかった…という方も多いようです。
起業して初めて、その額の大きさにビックリしてしまうという訳です。
例えば、前年の所得に応じて課税される住民税などは、起業したてであるために前年より収入が大幅に下がろうが、あるいはゼロであろうが、一定の額をきちんと支払わなくてはなりません。
税金のために会社の資金繰り(キャッシュフロー)がままならなくなるというのは、極めてありがちな話なのです。
※余談ですが、ネットビジネスによって大きな成功を収め、「秒速で1億円稼ぐ男」としてメディアなどでもたびたび取り上げられ、その言動も含めて大変な注目を集めた与沢翼さんといえば、ご存知の方も多いかもしれません。 テレビ出演の際にも、大金を入れたアタッシュケースをカメラの前で自慢げに披露するなど、贅沢を極めたその生活ぶりは、「ネオヒルズ族」という言葉と共に大きな話題となりました。 後に、そんな与沢さんが突然破産宣告をしたことに、さぞかし驚かされた人も多かったでしょうが、その原因の一つに、税金の支払いというものがあったようです。 自由奔放にお金を使っていた上、数々のトラブルが重なったこともあって、多額の税金を請求されてもほとんど現金が残っていなかったとか。 実は与沢さん、そんな辛酸をなめるような経験をしながらも、早々に復活を果たしたことでも話題になりましたが、その辺りの話はぜひ以下もご参考にしていただければ幸いです。 ※参考 →「転落からの再起。実際の事例から学ぶ」
また、税金と並んで気を付けなければいけないものに、国民年金や国民健康保険料があります。
不意に納付書が届いて、そのあまりの金額の高さに衝撃を受けたという起業家も決して少なくはありません。
これらについては、払えない、あるいは払いたくないからといって、無視して放置しておくと、後々さらに痛い目に遭うことになりますから要注意です。
目標額は1.5~2倍に設定せよ
そんなこんなで、起業には何かと思った以上のお金がかかるものです。
月々の生活費なども含めたランニングコストがこれだけかかるから、とにかく赤字にならないようまずは最低限これだけは稼ごう…などと目標を定めることも多いかと思いますが、恐らくその目標額でも足らないことがほとんどでしょう。
もし目標を定めるのであれば、感覚的にはその(予想ランニングコストの)1.5倍、あるいは2倍程度の収入を目指す感じでちょうどいいくらいかもしれません。
最後に、ご参考までですが、起業資金や運転資金に充てる金融機関からの融資を引き出すために、こういったプログラムがあることもご紹介しておきます。
※参考 →「事業計画書かんたん作成プログラム「ビジプロ。」」