完璧な準備など存在しない

すべての準備を完璧に行わないと、前に進めないという人がいます。

要するに、何事に対しても、その舞台を完全に整えてから事を始めようとするのです。

起業家においても、こういった方をしばしば見かけます。

そして、そういった方の多くが、起業家としていまいち軌道に乗り切れていないようです。

走りながら形を作っていくのが起業

話を聞いてみると、そういう人は、起業する初っ端においてもその準備に非常に長い時間をかけ、なかなか起業に踏み切れなかったというケースが多いようです。

起業を志したらまず、不安や心配などいつまで経っても皆無にはならないものであって、完璧な準備など存在しないことを大いに認識するべきです。

そうでないと、不安や心配を取り除くことに傾倒し、だらだらと準備に時間をかけ、結果、いつまでもそれに満足できず、いたずらに起業を先延ばしすることにもなりかねません。

特に現在のような移り変わりの激しい、変遷のスピードが非常に速い時代において、準備を完璧に整えてから起業するといったこと自体が、もはやアナクロニズムであるといっても過言ではありません。

不安や心配を抱えながらスタートするのは、どんな起業家だって一緒です。

多くの起業家が、完全でなくともともかくスタートしてしまい、実際に走りながら模索し、もがき苦しみながら何とか形を作っていっているというのが、現実なのです。

徒労によって勝機を逃してしまうのは究極の無駄

これは起業して、実際に事業を開始してからも同様です。

新たなことを始める時や、未知の分野に足を踏み入れる時など、起業家として一定の踏ん切りが必要な際に、準備を完璧に整えることばかりに心を奪われ、肝心なことを疎かにしたまま、刻々と時間ばかりが過ぎ去っていくケースは、決して珍しくはありません。

今の時代、何においてもとにかくスピード勝負となる側面が強く、準備にあまりに時間を食ってしまっていては、勝機を逃してしまうことにもなりかねないのです。

いつまでも経っても完璧になどなり得ない準備を、完璧に行おうとすることは徒労以外の何物でもなく、しかも、それに費やす時間によって勝機を逃してしまうことなど、それ以上ない究極の無駄と言えるのではないでしょうか。

起業家たるもの、とにかくまずはスピードが命であり、あとは走りながら模索し、試行錯誤しながら改善を続けていけばいいのです。

この姿勢の重要性やさらなる詳細は、以下のページでも言及しています。

※参考
→「柔軟性と敏捷性がカギ」
→「PDCAを何度回せるか

とにかく走り出してしまう思考や行動力

一応誤解のないように言っておくと、準備を整えるために尽力することが悪いという訳では決してありません。

また、いくら完璧な準備など存在しないとは言え、それ相応の準備が最低限必要であることも言うまでもないでしょう。

大事なのは、完璧な準備を目指してスタートを遅らせるより、とにかく走り出してしまったほうが、間違いなくうまくいくことが多いという現実なのです。

そればかりか、これを出来る思考や行動力が、起業家としての大事な要素にもなってくるということです。

そして、上述した通り、移り変わりが激しいが故にスピード勝負となることが多い昨今、特にこの傾向は顕著と言わざるを得ません。

「転ばぬ先の杖」「後悔先に立たず」「石橋を叩いて渡る」などと言えばそれなりに聞こえはいいですが、現実は、それにあまりに囚われすぎて過度に時間を割くことで、成功の芽を摘んでしまったり、その道のりが遠回りになってしまったりといったケースが非常に多いということを、強く頭に叩き込んでおくべきでしょう。

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