成功という大きな目的に向かっては、その過程において小さな目標をいくつも掲げ、それを一つ一つ確実にクリアしていくことで、少しずつ前に進んでいくというのが定石です。
これは起業での成功に限らず、人生のあらゆるシチュエーションにおいて成功を手に入れるための、有効な戦略となり得るでしょう。
ただ、その過程において、本来の目的を見失ってしまい、その過程自体(手段)が目的となってしまうという状況に陥るのは、ままあることです。
そして、そうならないためにも、常に「これは何のためにやるのか」を考える習慣をつけるといった、「目的を意識することの習慣化」が重要であるということは、過去にも言及した通りです。
※参考 →「手段と目的を混同しない」
不屈の闘志で努力する
では、成功に向かうその過程において、都度どのような目標を掲げ、何に留意して精進すればいいのでしょうか。
まず、現在の自分の力を100%とした際に、それを少し上回る120%程度の目標を立てるとちょうどいいと言われている通り、「賢明に努力することで、何とか達成出来るかもしれない」といった程度の目標を掲げるのが、妥当であると言えるでしょう。
そして、その目標を何があってもやり遂げるという強い意志と、「達成しなければ殺される」というくらいの強烈な危機感と責任感をもって、不屈の闘志で努力を続ける必要があるでしょう。
それによって、「勝つことの味を知る」ということの素晴らしさは、以下で存分に触れていますのでご参考までに。
※参考 →「勝ち癖をつける(その2)」
一つの目標のみに集中する
さて、目標を達成するにあたっては、もう一つ極めて重要なことがあります。
それは、同時に複数の目標を追いかけるようなことは、出来る限り避けるべきであるということです。
上述した通り、成功という大きな目的に向かっては、いくつもの小さな目標をクリアしていく必要がある訳ですが、その時その時で追いかけている目標は、唯一無二の存在であるべきです。
すなわち、スナップショットで、ある一点の時間軸を切り出してみた際には、一つの目標のみに集中している状態であるべきだということです。
要するに、今回のテーマである「一点集中」です。
革命期フランスにおける軍人・政治家で、ナポレオン1世として皇帝にも即位した、あのナポレオン・ボナパルトの有名な名言の一つに、次のようなものがあります。
「戦術とは、ある一点にすべての力をふるうことである」
つまり、あれもこれも、ではダメなのです。
目標達成のためには、とにかく力を一点に集中させることが、非常に重要なのです。
それは人間が、基本的には複数のことを同時に出来ないものであるという事実からも、明らかなことです。
※参考 →「人間は複数のことを同時には出来ない」
少し余談になりますが、私の知っている起業家に、目標が達成するまでは、常にそのことのみ考え続けるということを徹底的に実践する人がいます。
一度目標を掲げたら、まさに寝食を忘れてその達成のために打ち込むのです。
「一点集中で闘志を燃やせば、目標など必ず達成出来る」
というのが、彼が口癖のようにいつも言っていることです。
そして有言実行、身をもってそれを証明する姿には、私自身、学ぶところが大きいのです。
一点集中にはリスクも伴う
一方で、ある目標に向かって一点集中することには、相応のリスクが伴うことも確かです。
例えばもし、その目標が見当違いだったり、方向性に誤りが認められるようなものだったら、その時間は大いに無駄であったと感じられてしまうかもしれません。
しかしながら、目標に向かって遮二無二努力したというその経験は、間違いなくその後に役立つ大きな糧となります。
目標達成を目指して前に進むという行動に、無駄なことなど全くないと考えるべきです。
特に起業家たるもの、その結果どう転んだとしても、すべてを自分の糧にする気持ちで臨むべきです。
以下の過去ページに詳述されていますが、これも、成功に向かう起業家が持つべき重要な思考の一つなのです。
※参考 →「やらずに後悔するより、やって後悔しない」