どういう舞台で勝負するのか

これから起業しようという方において、「○○をやるために起業する」あるいは「○○をやりたいから起業する」など、どういうビジネスで勝負するかが、最初から明確に定まっているケースは、実は意外と少ないものです。

また、ある程度そこが定まっている方であっても、具体的にどのように進めていき、どういう過程で成功に至るのかまでは、ハッキリと描けていなかったりします。

つまり、起業家精神(アントレプレナーシップ)が旺盛で、野心に満ち溢れ、意気盛んな方であっても、突き詰めてみると実は何をやるのかが明確に定まっていないというケースが往々にしてあるものなのです。

最初の段階で躓く人は意外に多い

起業するからには当然、どういうビジネスでどのように勝負するかということを何かしら定めなくてはなりません。

要するに、自分が勝負するビジネスの舞台を決め、それを整えていかなければならないのです。

ただ、この最初の段階で躓いてしまう方が、意外と多いようです。

何をやろうか、どういうビジネスで勝負しようかと改めて考えてはみるものの、なかなか方向性が定まらず、とにかく走り出すことが出来ないという訳です。

「何をしたって食っていける」という開き直り

そんな時は、あまり難しく考え過ぎないことをオススメします。

確かに、これからの人生における重要な選択であり、生きる糧であり、食い扶持となる重大なテーマであることに間違いはありませんが、あまりそのことだけにとらわれて重く考えすぎると、思考が固定的なものとなり、柔軟性に欠け、結局は途中で軌道修正を余儀なくされることが多いものです。

経済的にも社会的にも、あらゆる面で日々厳しさが増している昨今ではありますが、その反面、そこここにチャンスは転がっているものです。

肩肘張らず柔軟に、まずはある意味開き直って、「何をしたって食っていける」くらいに考えていたほうが、結果的にうまく行くものであると、私は考えています。

舞台を決めるためのポイントはそんなに多くはない

自らが起業するビジネスの舞台を決めるためのポイントは、いくつか考えられますが、実はそれほど多くはないはずです。

  • とにかく自分のやりたいこと、好きなこと、得意なことをテーマにする
  • 儲かる分野、伸びている分野で勝負する
  • 身の回りに起きている問題や課題をヒントにビジネスを考える
  • 社会的に大きな影響力を及ぼす分野や事業をあえて選択する

細かく分類すれば他にも色々と考えられますが、大枠で言えばざっとこれくらいではないでしょうか。

考えるほど分からなくなる

「自分のやりたいことや、好きなことでなければ、結局は長続きせず、ビジネスとしては成り立たない」

「一時的に儲かっている分野に飛びついても、その流行と共に自らのビジネスも衰退していく」

「専門外の分野で勝負しようとしても、きめ細かいサービスが提供出来ず、クライアントの満足が得られず上手く行かない」

「やりたいことを優先させすぎると、儲かるビジネススキームは作れない」

などなど、その上述したそれぞれのポイントに対しての推奨意見、あるいは逆に反論や非推奨意見などが、世の中には渦巻いています。

どれもそれなりに説得力のある見解であり、また、それぞれが実体験に基づいて語られている面もあるでしょうから、どれが正解で、どれが誤りであるなどと割り切れるものではありません

それ故、特に起業初心者にとっては、考えれば考えるほどどんどん分からなくなってしまうというのが、正直なところではないでしょうか。

であれば、いっそのこと難しく考え過ぎないほうが、余程得策であると言えそうです。

※参考
→「多くの人がネットビジネスに行き着く理由」
実際のところ、起業する理由や根拠の説明を求められても、それを明確に答えることが出来ないという方は多いものです。

それ故、結局は自分が勝負するビジネスの舞台を決めあぐねて、「とにかく何か儲かることを…」といった思考に陥りがちです。

ただ、私はそれでもいいと思っています。

勝負は起業してから

起業するビジネスの舞台を定めるまでの過程がどんなであれ、そして決断したその舞台が何であれ、大事なのは走り始めてからどれだけ精魂を傾けられるかどれだけその道に心を向けてひたすら走り続けられるかです。

だからこそ舞台を決める最初の段階が肝心なんだ、という逆説的な考え方もありますが、そこで悶々と立ち止まっていたり、ただいたずらに時間を費やしてしまったりするのであれば本末転倒です。

勝負は、起業してからであって、起業前ではありません。

起業家たるもの、その段階においては「何をしたって食っていける」という開き直りにも似た、ある種の器の大きさと相応の覚悟を持って、どんと構えていていただきたいものです。

それくらいでなければ、どんな舞台であれ必ず訪れるであろう、起業後の荒波には耐えられないのかもしれないのです。

タイトルとURLをコピーしました