柔軟性と敏捷性がカギ

昨今の混沌とした社会環境や、とにかく移り変わりの激しいトレンド情勢においては、時に「良い商品」「素晴らしいサービス」を提供すれば売れるという訳ではなく、とにかくスピードが命となることがままあるものです。

それは極論、ビジネスにおいては、「品質」よりも「スピード」や「タイミング」の勝負になることが多いということです。

さらにこれを逆に言えば、「必ずしも品質の良いものが一番売れる訳ではない」ということになります。

このことは、実は最近に限らず昔から言われてきたことであり、過去の歴史もそれを証明しているのです。

マックもベータも…(古)

少し(かなり?笑)古い話ですが、有名なところでは、Macintosh(マッキントッシュ)とWindowsパソコンの販売競争(1980年代~1990年代)や、ベータマックスVHSの「ビデオ戦争」と呼ばれる家庭用ビデオにおける規格争い(1970年代~1980年代)などがありますね。

どちらの争いにおいても、敗北したと言われるMacintoshベータマックスのほうが、その先進性や機能・性能については先んじていたと言われています。

特にMacintoshにおいては、後にWindowsに搭載されることになった機能を、何年も前から先んじて実現していたにも拘らず、特に1990年代以降は圧倒的なシェアをWindowsに握られてしまうことになります。

そこには価格設定など様々な要素が絡み合っているのですが、そうなった大きな要因の一つとして、Windowsの開発や改善がスピーディーに、かつ非常に良いタイミングで行われてきたということがあるのは、間違いのない事実なのです。

しかしながら、Macintoshを作っていたアップル社がその後、iMacやiPhone・iPadなどの革新的な商品を次々と世の中に投入することで、現在の隆々たる地位を築き上げたのはご存知の通りであり、その先見性や技術力について、同社が昔から世界有数の素晴らしいレベルにあったことは、言うまでもないでしょう。

初速スピードと、その後の改善と

さて、良いものが売れる訳ではないというこの傾向ですが、時代の流れ(移り変わり)が速く、環境が常に変化を続け、消費者の価値観や好みの変遷も激しい昨今においては、特にそれが顕著になってきていると言わざるを得ません。

そのため、新たな商品やサービスをいかに早く市場に投入出来るかということが、成功するためのカギとなるケースが多いのです。

※参考
→「最終形に猪突猛進は要注意」
この中で、Webサービスを例に、商品やサービスを一刻も早く世の中に公開してしまうことの重要性を説いています。

特に「永遠にベータ版」の節をご参照ください。

いわば、とにかくスピード勝負、特に初速スピードが肝であり、あとは走りながら改善を続けていくという姿勢と努力が重要という訳です。

そうやって走りながら、消費者のニーズを素早く反映し続けられるところ、要するに柔軟性(flexibility、フレキシビリティ)敏捷性(agility、アジリティ)を持っている個人なり企業なりが成功し、生き残っていくことになるのでしょう。

参考として上に掲げたページでも例にあげたWebサービスなどの開発においては、まさに敏捷性(agility、アジリティ)から名付けられた「アジャイル開発」(agile development)といったことが、かなり以前より盛んに謳われていたりします。

それが意味するところの中核部分を端的に言えば、小規模で短期間の開発をひたすら反復し、全体として大きなものを作り上げていく…といったものなのです。

焦らない…されど時機は逸しない

当サイトをご覧いただいている方の中には、起業に対して迷いがあるという段階の方もいらっしゃるかと思います。

しかしながら、こうやって考察してみると、もしかしたらあれやこれやと迷いつつ時間を失っていく暇など、今の時代にはないのかもしれません。

いたずらに早急な起業をオススメするものではありませんが、特に具体的な商品やサービスがアイデアとして頭に浮かんでいる方においては、悩んでいる間にそれらが売れる時機を逸してしまう可能性は、決して小さくはないからです。

少なくとも、今後もビジネスの世界で生き残っていくにあたっては、現在はそういう流れの速い時代であるという認識を、常に強く持っておくべきでしょう。

意を決して動くか、慎重に検討を重ねながら様子を見るか…。

ビジネスにおけるこの判断は非常に難しいものですが、単純な確率論で言えば、今の時代においては、前者のほうが成功する確率は圧倒的に高いであろうと推測されます。

最後に、フランスの軍人・政治家であり、皇帝の地位にも就いた、あのナポレオン・ボナパルトの残した有名な名言を記しておきます。

「この世で成功したければ、他人よりそんなに賢い必要はない。ただ大抵の人より、一日早ければ良い」

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